事業者のオーダーにきめ細かく対応!! これは魔法の箱だ!!【運賃箱/小田原機器~バス用品探訪 第3弾~】

事業者のオーダーにきめ細かく対応!! これは魔法の箱だ!!【運賃箱/小田原機器~バス用品探訪 第3弾~】

 路線バスや観光バスに搭載されている車載用品にフォーカスし、その奥深い世界を知ろうというこの企画。今回は運賃箱製造を行なう小田原機器を訪れ、歴史的変遷や最新機器を見せてもらった。

 各事業者でそれぞれ強いこだわりの部分があり、実質オーダーメイドになるほどの運賃箱。最新機種では単に運賃を回収するだけの機械ではなくなっており、その進化が続いているのだ。

取材/文:小林敦志(バスマガジンvol.87より)

【画像ギャラリー】歴代モデルの変遷を見る!!

【画像ギャラリー】最新機種で見る“進化する運賃箱”

【画像ギャラリー】ICカードリーダーとプリンター


単なる運賃払い機の枠を超え、とどまることなく進化する

2口座回数券販売機付循環式紙幣検定器付き運賃箱(RX-Z特殊仕様/試作機)
2口座回数券販売機付循環式紙幣検定器付き運賃箱(RX-Z特殊仕様/試作機)

 日常生活で路線バスを利用すれば必ず目にするのが運賃箱。現金だけでなく、ICカードの利用やチャージ、さらに機種によれば回数券あるいは1日乗車券の発券などまで可能となる多機能ぶりは、日本ならではのものといっても過言ではない。

 今回はそんな運賃箱について、国内シェアで約半数を占める小田原機器を訪れ、話を聞いた。

 まず驚かされたのが、各バス事業者で細かい“こだわり”があり、それぞれの運賃箱に反映されているということ。そのためオーダーメイド感覚で運賃箱の製造が進められるとのことである。

最新鋭機“RX-FTS”のプリンタなどがついたフルオプション仕様
最新鋭機“RX-FTS”のプリンタなどがついたフルオプション仕様

 たとえば、整理券発券機にはなるが、主流の感熱式ではなくいまだにスタンプ式にこだわる事業者もあるとのことである。今回紹介する最新機種では多言語表示にこだわったものになっていたりしている。

 もうひとつ驚かされるのが、運賃箱という枠を超えて進化しているということ。“音声合成システム”と情報共有することで利便性を大幅改善するだけでなく、金庫に利用者数や運賃売り上げなどのデータの記録が可能となっており、納金と同時に記録データを回収することで、運行ダイヤの作成などに生かされている。

こだわりの仕様が数多く採用された某自治体系バス事業者の運賃箱。ちょっとコテコテ気味なのがわかる
こだわりの仕様が数多く採用された某自治体系バス事業者の運賃箱。ちょっとコテコテ気味なのがわかる

 今後は顔認証システムを導入した運賃収受システムなどの登場も十分ありうるとのことなので、運賃箱の進化は今後ますます目が離せないといえるだろう。

【画像ギャラリー】歴代モデルの変遷を見る!!

【画像ギャラリー】最新機種で見る“進化する運賃箱”

【画像ギャラリー】ICカードリーダーとプリンター

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。