バス会社の運営する路線や保有するバスを詳細に紹介する「おじゃまします! バス会社潜入レポート」。引き続き今回も1912年創業と長い歴史を持つ「広島電鉄」をご紹介しよう。
広島市内の軌道と西広島~宮島口間の鉄道、広島県西部の路線バスと山陰や広島空港などへの高速バスを営業する広島電鉄は、1912年に創業し、1942年に現社名になった。
会社概要や車両解説では伝えきれない同社の特徴を、
1.路面電車と社紋
2.バス部門の組織
3.車両の仕様
4.車庫
5.グループ会社
の5つの切り口で紹介する。
構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
写真協力/(H)エイチ・ディー西広島、(S)鈴木文彦
※2019年11月発売「バスマガジンVol.98」より
【画像ギャラリー】広島電鉄が所有するバスを詳しく見る! バス会社潜入レポート 広島電鉄【所有車両その2】
■Point01 社紋はレール 路面電車は日本一
広島電鉄の前身にあたる広島電気軌道は、1912年に広島市内で路面電車を開業。広島瓦斯と合併して広島瓦斯電軌となり、バス部門が創設されたのち、1942年に交通部門が分離されて広島電鉄が誕生した。
以来、路面電車は原爆被災の数日間を除いて走り続け、今日では一日平均10万5,000人を輸送する利用者数日本一の路面電車となっている。1944年に制定された社紋も、レールの断面にアークをからませ、それを広島の「ヒ」と「ロ」で囲んだものである。
■Point02 北営業所が南営業所より南にある?
バス事業本部は、精算や車両管理などを行うバス企画部、広島市内線を運行する都市圏輸送営業部、郊外線と高速バスを運行する地域輸送営業部、呉市交通局からの移管路線を運行する呉輸送営業部に分かれている。
一般的にいう営業所は、営業課と呼ばれている。また地域輸送営業部の広島北営業課は広島市より北側の郊外線、広島南営業課は広島市より南側・西側の郊外線を所管することによる名称。営業所の所在地は北営業課のほうが南営業課より南にある。