ひとつのバス事業者を掘り下げて紹介する、バスマガジンの名物コーナー、バス会社潜入レポート。今回は2019年に遡って、5月発売号で掲載した、小湊鐵道編を振り返って紹介する。
小湊鐵道は五井~上総中野間39.1kmの鉄道を営業。バス路線は千葉県中央部から南東部まで広域に及び、都市、近郊、郊外、過疎地域と多様な環境に対応している。
(記事の内容は、2019年5月現在のものです)
構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
※2019年5月発売《バスマガジンVol.95》『おじゃまします! バス会社潜入レポート』より(part1)
■県中央部の通勤通学路線が堅調南東部は自治体と協調して維持
●千葉駅
小湊鐵道は千葉県市原市に本社を置き、バス事業は塩田(姉崎)、木更津、長南(ちょうなん)(白子、大多喜(おおたき)、勝浦)、東金の4営業所(4車庫)を拠点に営業。このうち東金営業所は、九十九里鐵道に管理を委託している。乗合バスの営業キロは1682.214km、バス事業の従業員数は434人である。
路線バスのエリアは自社の鉄道沿線にとどまらず、千葉県の中央部~南東部の広域に及んでいる。
●海ほたる
千葉市と市原市北部は1960年代から宅地化が進行。都市型の通勤通学輸送を担ってきた。初期に開発された地域では高齢化が進んでいる半面、おゆみ野、ちはら台などの新興地域では若年人口の増加が続いており、千葉中央バスと共同運行するJR外房線へのアクセス路線の需要が伸びている。
市原市、袖ケ浦市、木更津市には多くの企業が立地。海岸線の工場地帯、内陸部の工業団地の従業員を輸送するため、JR内房線各駅に発着する路線バスと貸切バスを運行している。
また2012年には「三井アウトレットパーク 木更津」がオープン。一般路線バスに加え、後述するアクアライン経由の高速バスも乗り入れた。
●サンライズ九十九里
一方、千葉県南東部では過疎化と少子化により乗客が漸減。沿線自治体と協調しながら、JR外房線といすみ鉄道、自社の鉄道線の各駅に発着する路線の維持に努めている。コミュニティバスの受託にも積極的で、大網白里市、茂原市、長南町、長柄(ながら)町、市原市、いすみ市、勝浦市で運行している。
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