世情が不安定だと何かにすがりたくなるのは古今東西変わらない。パワーを必要とする皆様のために、バスで行くパワースポットをバスマガジンWEBのオリジナル連載で紹介する。今回は福岡県だ。本稿には9月のバス占いも付録するので、パワスポ探しの参考にしていただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■福岡・天神から筑豊特急!
今回の路線バスでパワースポット巡りは福岡県の風治八幡宮だ。福岡というと西鉄。福岡市の中心である天神は西鉄天神高速バスターミナルから通称「筑豊特急」に乗車しよう。結論から言うと、田川伊田駅からすぐなのだが、博多駅から行こうと思うと乗り換えが必要で乗り継ぎも決して便利とは言えないために、ここは便利なバスで行く。
北九州方面からであれば日田彦山線の方が便利だ。筑豊特急は便数はかなり多いが、多くが飯塚地区どまりなので、田川まで行くバスを選択して乗らなければならない。
そうすると概ね毎時1本というダイヤである。所要時間に若干の違いはあるが、経由はどこでも構わないので香春町役場または福岡県立大学行きに乗車して伊田駅で下車する。所要時間は1時間50分程度で、運賃は1750円。
■駅前パワースポット
筑豊特急を下車すると駅前の交差点名が「風治八幡宮前」なので、信号を渡って参道となる階段を昇ればそこが境内である、まさに駅前のパワースポットだ。主祭神は八幡宮なので応神天皇・仲哀天皇・神功皇后ほかを祀る。
有名な神事としては毎年5月の第3土曜日・日曜日に行われる川渡り神幸祭(福岡県指定無形民俗文化財第一号)がある。西日本最大級の大神輿が川を渡るさまは圧巻で、この時期には特別御朱印が授与される。
■とにかく封じてくれる!
境内社に「封宮」(ふうじぐう)があり、これは日本唯一といわれる。封じる御神徳というと、ぼけ封じや厄封じ等が知られているが、外からくる封じたいことばかりではなく、人間の弱さや、やめたいこと等の内なる由来の封じ事にも御神徳があるとされ、自分に負けないという現代人に必要な助けを求める参拝者が多い。
封宮では封じ事との決別方法をはっきりと示していて、単なる神頼みではなくまずは封じたいこととの決別の誓いを立てることを要求される。そのうえで、自身の行動により御神徳を得て決別するというプロセスである。
そのために祈願もできるが、封札という木札もあり自分で決別したい封じ事を書き込んで後で神社側で祈願してもらう方法も用意されている。要するに誓願により自分自身へ言い聞かせて(人事を尽くして)から御神徳を得る(天命を待つ)ことを実践してくれるのが封宮なのであろう。
御朱印は見開きで風治八幡宮と封宮の2社分を1体として授与してもらうことができる。授与品も多いので、願意を巫女や神職に伝えて適切な一体を授与してもらうといいだろう。境内には飲料水の自販機やベンチもあるので、清涼かつ厳粛な空気を感じながら一休みすると気をいただけるかもしれない。
■帰りのダイヤを確認して!
前述の通り、筑豊特急の田川発着便は概ね毎時1本なので、帰りのダイヤを停留所で確認してから参拝すると良いだろう。付近には石炭記念公園もあり、筑豊特急は近くに停車するので足を伸ばして観光してもいい。
筑豊地区は筑豊炭田閉山から鉄道路線の多くが廃止され、衰退の一途をたどったが、代わりにバイパス道路が次々と開通し、工業団地や大学のキャンパスができて飯塚を中心に活気が戻ってきている感がある。かつての賑わいや古代からの由緒から筑豊にはパワースポット多い。これを機に筑豊をバスで回ってみてはいかがだろうか。
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