旅行で乗ろうとすると選択が偏りがちになる電車とバス。でもたまには手を取り合って、電車とバスを交互に乗り継いでいったら、どの辺まで辿り着けるだろうか。横浜駅をスタート地点にして東北方面を目標に進み始めた1日目の後半はこんな感じの乗り鉄&乗りバスになった。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、交互の旅東北編の道中写真があります)
■すごーく距離を稼げます
横浜駅発で羽田空港を経由する寄り道ルートを取ったところ、3時間あった余裕もほぼなくなって、だいぶ時間ギリギリに着いたのがJR品川駅。
「新幹線は1日1回・100.99kmまで」のルールを設定したため、距離を稼ぐならここ品川駅がベストな中継地点になる。
品川駅からは、太平洋側に延びる常磐線を経由して、路線距離で約374km離れた、宮城県の仙台まで直通する在来線の特急列車「ひたち」が出ている。
在来線の列車に関しては、昼行なら距離の制限は設けていないので、「ひたち」が丁度いい選択肢というわけだ。
全区間を乗り通すと4時間40分かかるハイパーボリュームながら、東京近辺始発でそこまで長く走る昼行特急列車も珍しいので、これはこれで中々の特別感があるのと、品川〜仙台間を新幹線で行くよりも通常1,930円くらい安い。
■多すぎて激ムズ
初日に仙台まで行けるのはこれで確定したとしても、先へ進む課題がまだ盛り沢山。仙台は大きな街ゆえ、バス路線も広範囲に展開している……どれがどこへ行くのか分からないほど膨大な数が。
「メモを取ってはいけない」と決めたルールのために、仙台駅前を発着する全部のバスを把握するのはムリ。そんな状況下で路線系統ラインナップを見ていくと、仙台市営バスが大部分を占めている様子。
仙台“市営”ということは、仙台市の外には出ないバス路線が多そう。となると市内周辺のJR線の駅までバスを利用して、そこから電車に再度乗り換える算段か。
しかし、闇雲に駅を目指して電車に乗り換えても、その電車の終点から更に先へ進めるバスのことも計算に入れておかないといけない。目先の光明だけで動くと即オダブツなのが交互乗り継ぎだ。
正解へと繋がる駅に立ち寄るバスを、メモなしで探し当てるのは、乾き切ったウェットティッシュを復活させる並に厄介。そうすると、新規開拓を諦めて以前乗ったことのあるバスに目を付けるのが安全な気がしてきた。
■連絡バスの変則的な使い方
特急「ひたち」が仙台に着いたのが17:25。この電車で来ると、20分くらいの乗り換え時間で、仙台市内を走るバスの中でも一際ユニークな路線に間に合う。
宮城交通が運行する「仙台港線」がそれだ。仙台港線は、名古屋〜仙台〜苫小牧を結ぶ長距離カーフェリーの乗り場へ行く、連絡バスの役割を持っている。
駅前〜フェリー乗り場の直行便ではないので、途中停留所での下車も可。この路線、JR仙石線の駅に何度か立ち寄るわけで、これは使えそうだと判断した。
仙台港線の乗り場が駅前停留所の奥の方にあるため、「ひたち」が遅れてしまうと乗り継ぎがちょっと怖くなるが、この日は問題なかった。
仙石線の駅ならどこで降りても良いけれど、10kmほど離れた仙台市の端にある中野栄駅まで乗っていくことにした。所要時間は32分。
仙台港まで行って、また太平洋フェリーに乗りたいと思ったものの、交互乗り継ぎルールでは航路は99.99kmまでの距離制限があり、太平洋フェリーの仙台〜苫小牧間は560kmあるため選べず残念。
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