車両が変わって風情爆上がり? 開業30周年を迎えた「JR北海道バス深名線」2025年のプロファイル

車両が変わって風情爆上がり? 開業30周年を迎えた「JR北海道バス深名線」2025年のプロファイル

 廃止された鉄道線の後を継いで1995年9月に開業したJR北海道バス「深名線」。2025年はバス開業30周年の記念すべきタイミングであったが、同年9月に訪問した際のバスのプロファイルを振り返ってみたい。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、2025年の深名線の写真があります)

■30周年を迎えたJR北海道バス深名線

JR名寄駅前。その昔は鉄道の深名線が分岐していた場所で、今はバスが後任
JR名寄駅前。その昔は鉄道の深名線が分岐していた場所で、今はバスが後任

 JR北海道バス深名線は、北海道の深川と名寄の間およそ121.8kmを、内陸部の幌加内・朱鞠内を経由して結んでいた、同名の鉄道線を継ぐ形で1995年9月に開業した。

 このバスは、途中にある国内最大の人造湖・朱鞠内湖の付近が、鉄道時代と多少経路が異なるのを除いて、線路跡に近い所を通る国道275号をメインルートに、約130kmの全行程を3時間30分ほどで結ぶ一般路線バスだ。

名寄駅前バス乗り場。写真手前のバースに深名線が発着している
名寄駅前バス乗り場。写真手前のバースに深名線が発着している

 開業当初から経路/所要時間をそれほど変えないまま、鉄道時代に一際ローカルと言われたエリアを日々走り続け、2025年9月には開業30周年を迎えた。

 ちょうど30周年だった2025年9月。特に何と言うことのないド平日ではあったものの、これまで何度か利用している深名線に何か変わったことでもないか、様子をまた見に行ってきたので、ここで深名線が持つバス像を振り返ってみたい。

■非現実的な現実の乗り物

 深名線は全区間が内陸部で完結しており、車窓からの景色は山系の一種と言えるかもしれない。

 さらに、道内でもとりわけ人口密度の低い場所を通るせいか、自然味あふれる開放感に富んだ風景が行程の大部分を占めるのが特徴。

名寄駅前に乗り付けた深川行き深名線。大型路線車いすゞエルガでの運行
名寄駅前に乗り付けた深川行き深名線。大型路線車いすゞエルガでの運行

 路線バスは普段の足であり、どちらかといえば現実的な乗り物ながらも、観光客からすればこの深名線は都会の喧騒とは全くの無縁で、現実を完全に忘れさせてくれるような、なんともオイシイ場所ばかり走る。

空の広い場所を得意とするローカル路線
空の広い場所を得意とするローカル路線

 路線バス本来の性質と実像があまりにもかけ離れているところが、むしろ深名線を何度もリピートしたいとついつい現地へ足を運ばせる、最高の魅力と捉えてしまうほどだ。

峠をぐねぐね・ひと山越える。深名線で特に楽しい通過区間
峠をぐねぐね・ひと山越える。深名線で特に楽しい通過区間

 ちなみに深名線が通る場所のうち、公称値で特に少ないエリアが約2人/1平方kmだそうだが、これは以前、深名線バスを使って朱鞠内で1泊しようと考えた日のこと。

鉄道はなくなっても「停車場線」の道路名称はそのまま
鉄道はなくなっても「停車場線」の道路名称はそのまま

 宿にチェックイン後、軽く外へ出て散歩していたところ、通りかかった地元の方に「あんた今夜泊まる中山さんだね?」と言われたことがあるほどで、1人1人が本当に目立つ密度、といった感じらしい。

■ローカルだけど使い勝手まあまあ

 深名線の深川〜名寄間を通り抜けられるチャンスは、2025年9月の時点で両方向とも1日3回。絵に描いたようなローカルダイヤであるのは否めない。

深名線が贈る景色の醍醐味
深名線が贈る景色の醍醐味

 とはいえ、昼間に走る便が設定されているのと、深川/名寄で他のバスやJR線に繋がらなくもないところが旅での利用には強い。

沿線には駅舎ほか鉄道時代の設備がけっこう残っている
沿線には駅舎ほか鉄道時代の設備がけっこう残っている

 ダイヤの都合でどちらか片方向でしか利用できない、といった制限もローカル路線バスにありがちであるが、深名線に関しては深川→名寄/名寄→深川方向どちらも無理なく行けるので、使い勝手は今もまあまあ良かったりする。

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