普段、路線バスを利用する際、何の気なしに見ている系統番号。毎日利用している地元の路線なら、系統番号を見ないこともあるかもしれないが、知らない土地を訪ねたとき、複数の経由地がある行き先の場合、系統番号はとても分かりやすく、利用者にとって助けになる。
文・写真:橋爪智之
構成:中山修一
■基本は2パターン・日本のバス系統番号
元々このように、2点間を結ぶ複数の路線が存在する場合、行き先表示にいくつもの経由地を記載することが難しかったり、見づらかったりすることを避ける目的で設定されたのが系統番号だ。
日本の場合は系統番号を大まかに分けると「漢字(もしくはひらがな)+数字」というものと、数字だけという2種類に分けられる。
前者は1972年、東京バス協会で付番方法を統一した際に採用され、加盟各社は基本的にこの付番方法を各社とも採用している。
起終点の駅や通過する地域の地名から1文字、というパターンが多く、例えば渋谷なら「渋XX」、文字が被る地名の場合、例えば新宿なら「宿XX」のように、頭文字ではなく2文字目を使うパターンもある。
ただ例外も多く、都営バスの都市新バスのように地名ではない「都XX」や、2文字を使った新小岩の「新小XX」のようなパターンも見られた。
一方で数字だけのものは、全国的に広く普及している。東京の隣の横浜市交通局は数字だけを採用している関係で、横浜市と共同運行を行っている事業者は、その路線だけ横浜市に合わせて数字だけの系統番号を使用しているところもある。
■漢字を使って大丈夫?
ところで、筆者自身が海外に住むようになって、ふと素朴な疑問がわいてきた。東京バス協会方式の漢字+数字の表記、我々日本人には何も問題はないが、漢字が読めない外国人には結構難易度が高いのではないか? ということだ。
東京以外の事業者で見てみると、例えば名古屋は漢字2文字+数字が使われているが、それ以外は数字のみの事業者が中心。アルファベットを併用している事業者・路線もあるようだが、これなら外国人でも分かりやすいだろう。
それにしても東京都は日本の首都、外国人が最も多く訪れる地域であることは間違いないが、そこの路線バスの系統番号に、外国人が読めない字を使うというのは問題ないのだろうか。
東京都交通局が用意している英語版の路線図も、特に外国人向けの特別な表記を採用しているわけではなく、漢字+数字の表記がごく普通で基本とも言えそう。
筆者がもし、外国でバスに乗ろうとしたとき、アルファベット以外の文字が使われていたらお手上げだと思う。
もっとも、東京で外国人利用の多そうなエリアを走るバスの中には、一部にアルファベットを併用した系統番号が付けられている例もあるにはあるが、それでも全然少数派な印象。
東京はバス以外の公共交通機関が異常に発達しているから、バスを使わなくてもたいていの場所へ行くことができるため、外国人の利用はそれほど重要視しなくて良い……と考えられているのかもしれない!?
■ヨーロッパのバス系統番号事情
では一方、外国の系統番号はどうなっているのだろう。ヨーロッパで見てみると、どこの都市もほぼ数字だけというのが多い。
数字が小さい路線は、大都市の中心部で運転される主要路線に付番されることが多く、数字が大きくなり、桁数が増えるにつれ郊外路線、もしくは近隣都市への都市間路線などに使われる傾向がある。
トラムなどと番号を分ける際、1桁~2桁はトラムが、3桁以降はバスというパターンが多いようだ。ドイツの首都ベルリンは、1~89まではトラム、100以降をバスが使っている。
チェコの首都プラハはもっと細かく、1~49はトラム、50~59はトロリーバス、100~299は路線バス市内線、300以降は路線バス郊外線となっている。
ベルリンの場合、メトロバスと呼ばれる24時間運行/高頻度運転を行っている基幹路線がいくつか存在するが、これらは頭にMを付けている。
一方で、急行運転をするバスにはX(Express)が頭に付くが、これがプラハだと地下鉄やトラムの工事/事故代行輸送となる。
同じアルファベットでも、国や都市によって意味が違うのは興味深い。ただ、いずれもアルファベットなので、外国人でも迷うことはない。








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