【バス停のある風景】 北海道留萌市「三泊神社」/沿岸バス


 2007年に留萌を目指して、一路夕日に向かって走った。漁業と石炭の積み出しで賑わったのは、往時のことである。私が行ったその時は、その面影をほとんど見ることはできなかった。

執筆/写真:柴田秀一郎(バスマガジンvol.73より)
<初訪2007年4月・再訪2015年8月>


JR留萌本線の支線である留萌増毛間が廃線に。『限界集落ですから』という言葉が響いた

2015年8月、8年ぶりの再訪。バス停の“傾き”し変わらずだったが、背後の建屋のいくつかが無くなっていた

 沿岸バスのバス通りを走っていて、海岸線に出てみると、それはそれは見事な夕日だった。ただ夕日をバックにすると、シルエットが強すぎるから角度を意識して夕日を画面からはずすようにした。

 心がけたことは、左の廃屋と写真には写らないがアングルの反対側にその昔存在した旧国鉄羽幌線の跡が背景にあることだった。

 2015年8月に再訪した。ちょうどニュースでJR留萌本線の支線である留萌増毛間が、いよいよ廃線になるとのことだった。

こちらは上りのバス停。ここから留萌市の市街地や留萌駅に行くバスが発車している

 あいにくこの日は雲が厚くて夕日は期待できなかった、また留萌市の三泊は、以前とほぼ変化がないように思われたが、同じ角度で撮影してみると、以前撮影した左側に位置する廃屋が見当たらない。

 たまたま2軒先の住人のKさんが道路を歩いていたので、声をかけてみたところ、旭川に転居して家を取り壊したと聞いた。

 またバス停の名である三泊神社は、この撮影地の道路を挟んだ反対側、つまり旧国鉄の線路があったところだったが、半年前に立て壊しとのことだった。草の成長が著しくて、わずか半年の経過には見えなかった。

バス停前からちょっと目線を移動すると、日本海を臨む風景が広がる

 その地元の方は、「限界集落ですから」と言った。またこの集落の方は、ウニなどの沿海漁業を職業にしていると言っていた。思いがけずに関係者と会話できて、楽しい時間だった。

雪のバス停も急に見たくなり、再訪

雪深い中に建つバス停。これを確認するために2016年にまた来てしまった

 3回目は厳冬時期を選んで、2016年1月にやってきた。JR東日本の大人の休日パスのキャンペーンで、チケットが安かったから電車利用だった。当初はすでにバスマガジンでも掲載しているので、このバス停には立ち寄らずに帰る計画だったが、雪のバス停も急に見たくなった。

 予定外だったからレンタカーを予約していないから、タクシーを使った。現地に行く途中道路は雪が多かった。早朝だったから道路が凍っていた。正直言って自分で運転したら怖いな。と思った。

バスを待つ間、山側の斜面の雪対策装備が、きちんと仕事をしている姿にも出会えた

 現地に到着して、いつものアングルに合わせてレンズを向けて撮影した。山側のバス停も撮影した。タクシーの料金も気になったので、撮影を終えるとトンボ帰りした。タクシー代金は、往復で5000円ほど。価値のある出費だった。

 また、廃線が決定した増毛駅までの支線を記念に乗車し、旅を終えた。

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