【バス運転士日誌】路線バスと特定・貸切契約輸送……やり甲斐はどちらも変わらないがお好みは?

■路線バスの良し悪し

運賃が1乗車100円のコミュニティバス
運賃が1乗車100円のコミュニティバス

 路線バスは、特にコミュニティバスの場合は路線が複雑怪奇で、多くの場合は上り下りの区別がない。一筆書きで路線が敷かれるので、単純往復とはならず循環となる場合が多い。「こっち向きはバス停があるのに帰りの反対側にはバス停がない」という区間も多く、覚えるまでは大変である。狭い道路に入っていくコースも多く、間違えようものなら責任問題云々(うんぬん)以前に物理的に大変なことになる。よって訓練中に路線コースと多すぎるバス停の位置関係を完全に覚える必要がある。

 次に乗客層が多彩なのは路線バスの宿命であり、運賃箱の操作や放送装置や各停留所ごとのダイヤの特徴を把握、あるいは予測しながら運行する。これを面倒と思うのか楽しいと思うのかは運転士による。ちなみに記者は楽しいと感じる方である。さまざまな旅客とのやり取りや自分独自の放送案内、自分なりのダイヤ調整等々、同じ路線でも毎回異なるのが楽しいと感じるタイプだ。

電気バスがあれば別の面白さもある
電気バスがあれば別の面白さもある

 また、1回の運行時間が1時間から2時間程度なので、車窓が変わり飽きがこないというのも記者は好みな方だ。これは裏返せば路線を完全に把握して、考えなくても自然とハンドルが路線を完璧にトレースしてくれるまで慣れているからこそ言えることなのかもしれない。しかし、それまでのドキドキや苦労の期間は、たかだか数日なので、それ以降の楽しみの方が多いと感じている。

■好みはあなたが決める!

どちらが好みかはあなたが決める!
どちらが好みかはあなたが決める!

 とはいえ、機械的に粛々と路線を走らせるタイプの運転士もいて、安全運行には差異はないものの、やはり運転士も人間なんだなと感じる一幕である。実際に営業所や休憩所で同僚の運転士に話を聞くと、さまざまな感想が出てきて面白い。感じるポイントや考え方は人それぞれなのがよく分かる。

 よって、どちらが良いのかではなく、どちらが好みなのか、あるいは向いているのかを見極めることも大切で、そのためには両方やってみて選択できるのが一番良い。ちなみに記者は路線バスの方が好みだが、中には朝ラッシュ時にシャトルバスを運行しその後に路線バス、あるいはその逆というパターンの仕業も存在するので、それはそれで環境が変わって面白い。

日中はパターンダイヤになっている港区のコミュニティバス
日中はパターンダイヤになっている港区のコミュニティバス

 そのような要望や適性に応えてくれるかどうかは事業者によるだろう。フジエクスプレスでは相談次第といったところだろうか。記者の場合は勤務日以外の要望は公式には出していない。勤務日であれば乗務可能などんな仕業でも構わないと伝えてある。

 しかし、運行管理者との日常会話の中で路線バスが好きだと漏らすことは実際に多かった。すると、いつの間にか何となく路線バスの仕業が中心の勤務になっていて、会社側が考慮してくれているのだろうとは感じる。ちなみにフジエクスプレスの乗合運転士の賃金形態はハンドル時間制ではなく拘束時間制なので、長時間勤務の仕業はそのまま賃金に正比例する。

 バス運転士を目指すのであれば長く続けるためにも、事業者がどんな路線を運行していて、どこまで希望を聞いてくれるのかをあらかじめ確認しておくことは、より労働環境を良くするための賃金面以外で重要なポイントのひとつなのかもしれない。

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