ジェイ・アール北海道バス編に潜入!!【その1】

ジェイ・アール北海道バス編に潜入!!【その1】

 ひとつのバス事業者を掘り下げて紹介する、バスマガジンの名物コーナー。今回は2016年に遡って、11月発売号で掲載した、ジェイ・アール北海道バス編を振り返って紹介する。
(記事の内容は、2016年11月現在のものです)

 ジェイ・アール北海道バスは札幌市西区に本社を置き、札幌都市圏に路線を延ばすとともに、道央の深川を起点とする深名線、様似(さまに)を中心とする日勝線の営業を行っている。

 高速バスは、札幌と自社エリアの道南・日高地方を結ぶ2路線を単独運行するほか、札幌から小樽、旭川、紋別、帯広への路線を他社と共同で運行している。

構成・執筆・写真(特記を除く)/加藤佳一(B.J.エディターズ)
※2016年11月発売「バスマガジンVol.80」より

【画像ギャラリー】ジェイ・アール北海道バスが走る風景を写真で辿る! 本文未掲載写真も! バス会社潜入レポート ジェイ・アール北海道バス編【その1】


■札幌都市圏の通勤輸送を担う 様似では鉄道代行バスも運行

●開拓の村

旧札幌駅の駅舎を背に待機する〈新22〉系統。「北海道開拓の村」には、明治から昭和初期にかけての道内の建造物が集められている
旧札幌駅の駅舎を背に待機する〈新22〉系統。「北海道開拓の村」には、明治から昭和初期にかけての道内の建造物が集められている

 ジェイ・アール北海道バスは、北海道旅客鉄道の100%子会社。国鉄分割民営化の際に同社自動車事業部となり、2000(平成12)年4月から独立したバス事業者として営業を開始している。

 民営化時点では滝川、伊達(だて)、帯広、厚岸(あっけし)にも拠点を持っていたが、現在では小樽、手稲、琴似、札幌、厚別、長沼、深川、様似の8営業所体制。乗合バス営業キロ1830・39km、正社員数663人となっている。

 札幌都市圏の札樽(さっそん)線、空知線、長沼線(旧・長広(ちょうこう)線)は国鉄時代に開業した伝統路線であるが、沿線の宅地化に伴い多くの支線が設けられた。

●小樽駅

小樽駅を発車する札樽線〈宮65〉系統。現在の小樽駅舎は1934(昭和9)年、国鉄バス札樽線苗穂~手宮間開業の年に竣工したもの
小樽駅を発車する札樽線〈宮65〉系統。現在の小樽駅舎は1934(昭和9)年、国鉄バス札樽線苗穂~手宮間開業の年に竣工したもの

 また市営地下鉄の延伸とともに、宮の沢駅や新さっぽろ駅(JR新札幌駅)が新たなターミナルとして発展。その結果、路線はこのエリアに面的な広がりを見せ、通勤通学客を中心とする都市型輸送が行われるようになっている。

 00年に札幌市交通局から市バス3路線の移管を受け、03(平成15)年には同局の琴似営業所を担当路線とともに引き継いだ。これにより地下鉄円山公園駅や琴似駅などを起点とし、札樽線の南北に延びる住宅地路線が加わった。

 その後、札樽線では手稲・小樽方面の旅客の利便性を高めるため、快速便の運行が開始された。

 なお、路線を廃止した恵庭市では、コミュニティバス「ecoバス」の運行を受託している。また円山公園駅から大倉山ジャンプ競技場を循環する「くらまる号」を季節運行している。

●JR札幌駅

JRバス、北海道中央バス、じょうてつバスと道内各地の高速バスが発着する札幌駅。バスターミナルは「札幌エスタ」の1階にある
JRバス、北海道中央バス、じょうてつバスと道内各地の高速バスが発着する札幌駅。バスターミナルは「札幌エスタ」の1階にある

 深川営業所が担当する深名(しんめい)線は、1995(平成7)年に廃止された鉄道の深名線の代替路線。同営業所はこれに合わせて新設された。

 全長120kmを超える長大路線であるが、運行系統は途中の幌加内で分割されている。沿線の過疎化が進行しており、バス転換後も利用者の減少が続いたことから、02(平成14)年には深川営業所の業務を道北バスに委託している。

 様似営業所が運行する日勝(にっしょう)線は、様似~えりも~庶野(しょや)~広尾間の本線系統と様似~浦河~向別・上野深間の野深線系統に分けて運行。本線系統は国鉄時代、多くの観光客で賑わったが、いまでは生活路線となっている。

 また15(平成27)年1月には土砂災害により、鉄道の日高本線鵡川(むかわ)~様似間が不通となり、代行バス静内~様似間の運行を同営業所が担当している。

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