京浜急行電鉄沿線にグループ4社の路線を展開する京急バス

■地域分社は羽田・横浜・湘南リムジンバス等の運行も分担

●馬車道駅前

横浜市の中心部に乗り入れる〈110〉系統。後方の横浜第二合同庁舎は1926(大正15)年に横浜生糸検査所として建てられたもの
横浜市の中心部に乗り入れる〈110〉系統。後方の横浜第二合同庁舎は1926(大正15)年に横浜生糸検査所として建てられたもの

 京浜急行バスには100%出資の地域分社として、羽田京急バス、横浜京急バス、湘南京急バスの3社がある。

 羽田京急バスは京浜急行バス羽田営業所の敷地内に開設された東京営業所を拠点とする。一般路線はJR蒲田駅・羽田空港発着系統を中心に営業しており、羽田空港の国内線・国際線ターミナルを結ぶ無料シャトルバスも担当。

●関東学院大学金沢文庫キャンパス

横浜京急バス能見台営業所は関東学院大学の特定輸送を担当。駅とキャンパスを結ぶシャトルバスやキャンパス間連絡バスを運行する
横浜京急バス能見台営業所は関東学院大学の特定輸送を担当。駅とキャンパスを結ぶシャトルバスやキャンパス間連絡バスを運行する

 また羽田空港リムジンバスの一部路線、宮古・舞鶴・徳島への高速バスも運行する。乗合バス免許キロ1619.9km、社員数247人である。

 横浜京急バスは横浜市の杉田・能見台営業所、横須賀市の追浜営業所を拠点とする。一般路線では自社路線として上大岡駅発着系統、受託路線として京急線京急富岡~追浜間の各駅発着系統、JR根岸線磯子・洋光台の両駅発着系統を営業し、横浜駅にも乗り入れている。

●桔梗山

桔梗山の住宅地を行く「京急ポニー号」。デマンドルートを持つこの路線は、夜行高速バスと同じカラーの小型バスによって運行される
桔梗山の住宅地を行く「京急ポニー号」。デマンドルートを持つこの路線は、夜行高速バスと同じカラーの小型バスによって運行される

 また羽田空港リムジンバスの一部路線、横浜駅発着の中距離高速バスも運行している。乗合バス免許キロ62.2km、社員数292人である。

 湘南京急バスは堀内営業所を拠点に横須賀京急バスとして創業し、鎌倉営業所が加わるとともに現在の社名になった。一般路線ではJR横須賀駅~観音崎間を中心とする自社路線、JR横須賀駅・衣笠駅・鎌倉駅・大船駅などに発着する受託路線を営業。

 また羽田空港リムジンバスの鎌倉駅・藤沢駅系統、新橋駅~JR逗子駅間の深夜急行バスも運行している。乗合バス免許キロ81.6km、社員数201人である。

■京急グループの貸切バスの要 東洋観光

横須賀営業所の三菱ふそうQRG-MS96VP。京急グループの貸切バスを一手に引き受けた東洋観光は2008(平成20)年以降、一般貸切車のボディカラーを京浜急行電鉄の貸切デザインに改めている
横須賀営業所の三菱ふそうQRG-MS96VP。京急グループの貸切バスを一手に引き受けた東洋観光は2008(平成20)年以降、一般貸切車のボディカラーを京浜急行電鉄の貸切デザインに改めている

 京浜急行バスと地域分社の貸切車は、そのほとんどが契約輸送を担当。京急グループの一般貸切輸送を一手に引き受けるのは、東洋観光である。

 東洋観光は1953(昭和28)年に横須賀で創業。1955(昭和30)年に京急の関連会社となった。

 1990年代に入ると、貸切バスを取り巻く環境の変化から京浜急行電鉄は貸切バス事業を縮小。2008(平成20)年のグループ再編により、京急グループの貸切バス事業は東洋観光に集約された。現在は横須賀と横浜の2営業体制で、貸切バス・特定バスの営業を行っている。

横浜営業所で契約輸送を行ういすゞLDG-LV234Q2。“サーフカラー”と呼ばれる同車のデザインは、かつて東洋観光の一般貸切車がまとっていたもの。横浜営業所は契約輸送用車両の比率が高い
横浜営業所で契約輸送を行ういすゞLDG-LV234Q2。“サーフカラー”と呼ばれる同車のデザインは、かつて東洋観光の一般貸切車がまとっていたもの。横浜営業所は契約輸送用車両の比率が高い
【画像ギャラリー】京浜急行電鉄沿線に路線を展開しグループ4社で輸送を分担する京急バス(25枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。