場内の方が難しい?
場内の教習では二種免許取得独特の課題(普通二種でも大型二種でも共通)があり、路上教習にはないコースを何度も繰り返し行うので、記者の感覚では路上教習の方が楽だったように思えた。
有名な二種免許独特の課題は鋭角通過だ。そのままハンドルを切っても通過できない鋭角の曲がり角を3回以内の切り返しで通過しなければならない。縁石に乗り上げたり脱輪でアウトだ。運転席が完全に道路の外に出ても脱輪さえしなければいいので、乗用車とは全く異なる感覚でギリギリを攻めなければならない。
技能教習をしている間にも学科教習は毎日続くし、とにかく練習問題を山ほど解いて合格点に達しなければならない。二種免許の学科試験は出題範囲が広く、試験場での合格率は低い。
運転は得意でも学科試験がネックになる人は意外にも多い。普通免許を持っていて普段から運転していても一発で合格しない人は多くいるのでここで学科を鍛えておかないと後で苦労する。
仮免許練習中!
晴れて修了検定に合格し大型仮免許を取得すれば、その仮免許で公道を「仮免許練習中」として走ることができる。路上教習のスタートだ。
実際の道路交通は普通免許を持っているので、さほどビビることはないものの、狭い道路を大型バスで通過したり、バス停に見立てたポールに中ドアを付けて停車したりと、バスならではの課題も多い。
2時間連続教習では比較的長距離を走り、大型車が停められる駐車場で休憩をして教官と本音トークをしたり、本物の路線バスが走る市街地を、恐る恐るバスを走らせたりと楽しくも緊張する場面も多々ある。
卒業検定では乗客が乗車?
卒業検定では他の受検者が同乗するが、普通免許と違って教習者が少ない種別のため、いない場合はほかの免許種別の受検者が駆り出されて同乗することもある。これは試験の公正を期すための要請で、第三者が見ている中で検定を行わなければならないためだ。
記者は大型一種卒検の同乗者に指名され、トラックの中央席に座ったことがある。バスで行う大型二種の卒検の場合は受検者が客席に座るので、路線バスと同じ状態で検定を受ける。
卒業検定に合格すれば卒業式に臨み、技能試験免除の証となる卒業証明書兼卒業検定合格証明書と仮免許証が手渡され、合宿の場合はこれで「放免」となる。
全国どこの教習所で交付された証明書でも有効なので、住所地の運転免許試験場で学科試験に合格すれば「大二」の表示が入った新しい免許証が交付される。有効期間は新たに取得した日から起算されるので、現在所持している免許証の有効期間よりも伸びるはずだ。
趣味でも取得できるプロ交通系免許は多くない
仕事であればもちろんだが、趣味目的で取得できる交通機関系のプロ免許は自動車と小型船舶くらいだろう。航空機は費用がかかりすぎるし、大型船舶は乗船履歴が必要なのでアマチュアにはハードルが高すぎ、鉄道は事業者に就職しないと現実的には不可能だからだ。
二種免許を持つと仕事で使わなくても心理的な意識が高まり、乗用車でも安全運転になるという声をよく聞く。旅客を乗せて運転する教育を受けて免許を取得するからだ。趣味目的であれば時間とお財布に余裕が必要だがチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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