バスのお仕事とは、なにも運転士だけではない。貸切バスのバスガイドも重要な職業だ。現役バスガイドが楽しく真剣に仕事の魅力や大失敗談を赤裸々に語る「へっぽこバスガイドの珍道中」をお届けする。今回は青春を運ぶ仕事、つまり修学旅行がテーマだ。
文/写真:町田奈子
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■大型連休後は繁忙期だ!
5月のゴールデンウィークが終わると、バス業界はいよいよ繁忙期に突入する。新人ガイドの“一年生”にとっては、これから始まる怒涛の日々に怯えている時期かもしれない。今回は、そんな繁忙期の中でも特に印象深い「修学旅行」の仕事について書いてみたい。
修学旅行シーズンにおける東京および関東の春の繁忙期は、地方からの修学旅行が中心になりその多くは中学3年生だ。私自身も地方出身者なので、この時期になると自分の修学旅行を思い出す。修学旅行の定番といえば、やはり国会議事堂だ。実は国会議事堂は、地元議員の紹介がないと見学が難しく、大人になってから気軽に訪れる機会は少ない。
私も会社の社会科見学ツアーに参加するまで、中学生以来足を運ぶことはなかった。ちなみに、国会議事堂内の吉野家には「吉重(よしじゅう)」という黒毛和牛重がある。知る人ぞ知るレアメニューだが、実は羽田空港第3ターミナルでも食べることができる。コレ、知ってて損はない。
浅草、上野、そしてスカイツリー 修学旅行の定番コースといえば、浅草やスカイツリーも外せない。さらに班行動では、上野エリアへ向かう学生も多い。上野公園は日本で最初の公園のひとつだ。もともとは徳川家の菩提寺である寛永寺の境内だが、上野戦争で焼失しその跡地に上野動物園などが整備された。
上野は見どころが多い。 世界遺産の国立西洋美術館、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館。都会の施設だから小規模だと思われがちだが、実際はどこも広く、見応えがある。 私のおすすめは、通称「科博」こと国立科学博物館だ。 巨大な恐竜の骨格標本や化石展示、忠犬ハチ公の剥製など、何度訪れても飽きない。高校生までなら生徒手帳提示で無料になる施設も多く、自由行動で上野へ向かう学生が多いのも納得である。
■修学旅行が嫌いだった私
読者の皆さんは、修学旅行はどこへ行っただろうか。 私は東京、千葉、鎌倉、横浜を巡った。 実を言うと、子どもの頃の私は修学旅行があまり好きではなかった。ガイドの話を聞かずに爆睡し集団行動も苦手。毎度一番嫌いな学校行事が修学旅行だった。そんな私が今、修学旅行の仕事に一番やりがいを感じているのだから不思議なものだ。 さらに仕事を通じて中学時代の修学旅行で担当してくれたガイドさんと再会したこともあり、なんとも言えない感慨深さがあった。
繁忙期には忘れられない思い出がたくさんある。中でも印象に残っているのは、地方から来た学生たちの反応だ。地方の学生にとって、東京の景色はまるで別世界なのだろう。次々と景色が変わり、高層ビルや夜景に目を輝かせながら話を聞いてくれる。私も地方出身だから、その感動はよくわかる。
だからこそ、「東京ってすごい」と思ってもらいたくて、夜景が綺麗に見えるタイミングで運転士さんにお願いして車内灯を消してもらったり、観光案内だけでなく地形や歴史、小ネタまでたくさん用意したりしていた。
修学旅行は、小学校、中学校、高校とある。 けれど“今のクラスのメンバー”で行ける修学旅行は一生に一度しかない。だからこそ私たちバスガイドは、一回一回の仕事を大切にしている。





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