愛知県の接触触媒ベンチャーであるダイヤニウムは、公共交通機関車両等の抗菌・抗ウイルス施工の需要に応えるため、専門部署を設置し対応するという。
新型コロナウイルスの完全な収束がいまだに見えないなかで、不安を感じながら日常生活を取り戻すべく活動している新たな技術だ。
公共交通機関は通勤、通学の欠かせぬ移動手段であり、特にバスではいわゆるソーシャルディスタンスを取るだけでは、常に定員以下で運行せざるを得ず、長い目で見れば抜本的な対策は今後必要になると思われる。
そんななかでメーカー、事業者ともさまざまな試みを行っている最中だが、その解答のひとつとなってくれそうだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
光のいらない、光触媒のような次世代の触媒
たとえば、人が触れたものに極力触れないという行動は接触感染のリスクを下げることができるが、社会生活においてはほぼ実現不可能であり、同社ではこの問題を解決していくことが課題のひとつだと考えたようだ。
さて接触触媒「ダイヤニウム」とは、抗菌・抗ウイルス・防臭・防カビ機能を特徴とする製品で、「光のいらない、光触媒のようなもの。抗菌・抗ウイルス環境をつくる次世代の触媒」と理解するとわかりやすい。
塗着をする・しない、さらにガラスコーティング剤を使用したタイプなどがあり、あらゆる対象物・場所に最適な抗菌・抗ウイルス化施工が可能という。
最近の事例としては、「株式会社TM」(観光バス・レンタカー事業などを運営)の観光バス13台にダイヤニウムによる抗菌・抗ウイルス・消臭・防カビ施工を行ったそうだ。
大量輸送機関の車両に抗菌・抗ウイルス施工をすることにより、「安心」を提供することができ、少しでも接触感染のリスクを下げることができるればと同社では考えている。
最近では特に幼稚園や保育園等の送迎バスへの施工依頼が多く、公共交通機関の抗菌・抗ウイルス施工の需要が多く見込まれることから専門部署を設置して対応していくとのこと。
近いうちに車体内部、座席から窓ガラスに至るまで抗菌・抗ウイルス施工されたバスに乗る機会が増えていくことが期待される。