日本全国どこへ行っても、来る/来ないは別にして大抵の場所で路線バスの停留所を目にする。バスの事業者は日本全国各地にまんべんなく存在すると言えそうだ。ではこれを数値で表すとどうなるだろうか?
文・写真:中山修一
バス会社の数はなんと2000オーバー!
2021年現在のデータによれば、日本で路線バスの営業免許を持っている事業者の数はなんと2,337にも及ぶ。うち2,314が民営で残り23が公営だ。思いのほか公営のバス事業者は少ない。
主な公営バス事業者として、仙台市営バス(宮城県)、都営バス(東京都)、川崎市バス(神奈川県)、横浜市営バス(神奈川県)、名古屋市営バス(愛知県)、神戸市バス(兵庫県)、北九州市営バス(福岡県)がある。
一方で全国的にもメジャーな民営バス事業者に、北海道中央バス(北海道)、神奈川中央交通(神奈川県)、東海バス(静岡県)、名鉄バス(愛知県)、神姫バス(兵庫県)、伊予鉄(愛媛県)、西鉄バス(福岡県)などが挙げられる。
目立つのは少数派?
バス事業者によって受け持つ路線の規模がそれぞれ異なるため、保有するバス車両の数にも大きな差がある。全体で見れば最も多いのが「10両まで」で、63.5%の事業者がこれに該当する。
以降30両までが17.4%、〜50両5.3%、〜100両5.9%、101両〜7.9%と続く。数が多いほうが目立つのは必然であるものの、パーセンテージの上では101両以上の大所帯は少数派ということになる。
101両以上のバス車両を保有する全国のバス事業者の例として…
・神奈川中央交通:1,942両
・西鉄バス:1,623両
・都営バス:1,526両
・北海道中央バス:1,040両
・名古屋市営バス:1,014両
……が代表格で、数も飛び抜けて多い。
離島の路線バスをはじめ小規模な事業者によっては、路線車の登録が1両という所もなくはない。ただし、貸切観光バス事業を併せて行うのが定番で、貸切車を含めれば10両程度またはそれ以上になるようだ。
縦横無尽に走るバスだからこその「営業距離」!
隅から隅までキメ細かなルートを通る性質から、範囲は狭くてもフツーにクルマで走るよりも路線バスの走行距離(営業キロ)は長くなる。全線合わせて最短で4km程度から始まり、最長数千kmに達する。その一例を記すと……
・名鉄バス:6,105km
・近鉄バス:5,830km
・ジェイアールバス関東:5,612km
・北海道中央バス:5,208km
・神姫バス:4,538km
・西鉄バス:4,262km
……のように、長距離国際線の片道距離に迫るほどの路線網を形成するバス事業者だってあるのだ。ちなみに名鉄バスの営業キロ6,105kmは成田〜インドのニューデリー(5,887km)間よりも長い。
ひとつひとつは「こぢんまり」としている路線バスも、まとめて数で表すとバグったかと思うほどの結果が次々と出てくる。バス趣味を数値からアプローチしてみるのも好奇心を刺激するものだ。
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