路線バスの“本当の終着”という地点の定義が厳しすぎる!?

路線バスの“本当の終着”という地点の定義が厳しすぎる!?

 路線バスには必ず始点と終点があるが、これぞ「ザ・終着」と呼べるような停留所はどんな場所にあり、それにはどういった条件が当てはまるのだろうか。

文・写真:中山修一

■バスセンターは終着と言えるのか

本当の意味でのバス停の「終着」を定義するとしたら…?
本当の意味でのバス停の「終着」を定義するとしたら…?

 都市部にある「バスセンター」や大型バスターミナルから見ていこう。バスが集結する施設を始点または終点に設定している路線は非常に多く、この場所を終着と表現しても決して不自然ではない。

 ただし、センターやターミナルというだけあって、到着してバスを降りてから別の路線に乗り換えて、他のところへ移動できるという性質を大抵持ち合わせている。

 路線や系統の違うバスに乗り換え可能な要素を含むと、ピュアな意味での「終着」とはちょっとニュアンスが異なってしまう。

■終着の代名詞・鉄道駅前のバス停

 旅の終わりを連想させる最高の題材といえば鉄道の駅だ。駅前にはそれなりの割合でバス停が置かれている。

 大きな駅では上記のようなバスターミナルになっていることが多いが、規模によっては1路線のバスしか駅前に出入りしていない場所も存在する。

 まずバスに乗って駅へ向かい、なおかつそのバスの終点が駅前になっていれば、駅前のバス停を終着に見立てられなくもない。

 ところが、こちらも上記のバスターミナル同様、バスが1路線しかなくても駅から電車やディーゼルカーに乗り換えができる。公共交通機関を使って更に先へ移動可能な場所にある停留所となると、やはり終着感は今ひとつだ。

バス的には終着でも、鉄道駅は終着っぽさが薄い
バス的には終着でも、鉄道駅は終着っぽさが薄い

■目的地=終着というわけではないはず!?

 団地・住宅街のようなベッドタウンや病院、テーマパークなどの前が始点・終点になっているバス路線の停留所はどうだろう。この場合、終点が目的地となり、それよりも先へ向かうことは普通ならまずしないので、かなりの終着感が出てくる。

 しかしここにも制約がある。上記の場所のうち多方向からバスが集まってくる環境にあると、終点を「経由」して別の場所へ行けてしまう。そのため、運行しているバスが1路線しかないことが必須だ。

■ということで「ザ・終着」の条件とは

 これらを踏まえると、「そこへ着いたら来た道を同じ路線バスで戻るしかない場所」にあるのが、ザ・終着と呼べるバス停になるわけだ。電車で言う所の盲腸線の終端駅に相当するだろうか。

 実際そんなバス停が全国にあるのだろうか。ざっくりと調べてみたところ、意外や意外、どこにでもありそうに見せかけて、それほどないのだ。

何気に貴重かもしれない「終着」バス停
何気に貴重かもしれない「終着」バス停

 山奥や岬など、いかにも終着っぽさを醸すローカル路線バスの終点でも、他のバスに接続できたり、1日1本だけ更に先の駅などに直通する便が設定されていたり、観光目的では利用が超難しいコミバスがシレッとあったりする。

 ではその数少ない(と思われる)ザ・終着なバス停の周辺はどんな所なのか。大まかな種類に分けると…

・景勝地
・観光地
・温泉地
・レジャー施設
・県境
・集落
・バスの折り返し地点

…といったところだ。

 到達感は相当ありそうなので、県境越えバスや代替バスと共に、乗りバス的ジャンルの一つに含めると楽しそうだ。

【画像ギャラリー】もうその先へバスでは行けない!! 終着停留所(5枚)画像ギャラリー

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