バスの窓ガラスの数が住宅の窓より多いってマジ!?

バスの窓ガラスの数が住宅の窓より多いってマジ!?

 人を運ぶ乗り物には必ずと言って良いほど窓が付いている。ではバス車両の窓には何枚のガラスが使われているのだろうか。

文・写真:中山修一

■(1)小型バスとしての運用も多いワゴン車の場合

その気になって実際数える機会はほとんどなさそう…
その気になって実際数える機会はほとんどなさそう…

 超閑散路線や送迎車等々幅広い活躍を見せるワゴン車。ここではトヨタ・ハイエースのバス仕様車(コミューター)を例に見てみる。

 同じバス仕様でも細かなグレードによって枚数が異なるのだが、前後左右の窓ガラスを数えると、前1枚、後ろ1枚、左4〜5枚、右4〜5枚の合計10〜12枚程度となった。

 標準的なハイエースは8〜10枚ほどなので、車体が少し長い分ガラスをやや多く使っている。

■(2)いわゆる小型バスのマイクロバス

 ワゴン車と同じく多用途なマイクロバスはどうだろうか。最近の三菱ふそうローザでは、前1枚、後ろ1枚、左11枚、右8枚の計21枚だった。

 ワゴン車に比べ枚数が急激に増えているのは、車体がより長いほか、客席の窓ガラスが引き違い式になっており、窓1カ所につきガラスを2枚使うところが関係している。

 また、スイング式や折戸など、乗降用のドアの種類によっても1〜2枚増減する。

■(3)日野ポンチョに代表されるノンステの小型路線車

 コミュニティバスでおなじみの小型バス。サンプルに選んだのは、小型バスの中でも最近特にメジャーな車種になっている日野ポンチョの現行モデルで、ドアが2カ所あるロングボディ車だ。

石見交通の日野ポンチョ
石見交通の日野ポンチョ

 このクルマの場合、前1枚、後ろ1枚、左7〜8枚、右13枚、計22〜23枚のガラスが窓に使われていた。マイクロバスとほぼ同じ、あるいは若干多い程度だ。

■(4)大型車よりひと回り小さめの中型路線車

 ローカル路線バスや都市部の小路線などで良く見られる中型バス。最近の主力車種であるいすゞエルガミオのうち2015年製造の車両でカウントしてみると……。

宇部市営バスの2015年式いすゞエルガミオ
宇部市営バスの2015年式いすゞエルガミオ

…前2枚、後ろ1枚、左11枚、右13枚の計27枚になった。

■(5)一般路線のトップグレード 大型路線車

 利用者の多い路線の定番車両である、全長10m以上の大型路線車になると窓が多くなり、使われているガラスの数もさらに増えるはずだ。

 2018年式のいすゞエルガはどうかと言えば、前2枚、後ろ1枚、左13枚、右19枚の計35枚と、いよいよ使用枚数が30枚を超えた。

 一方で、35年ほど前に製造された、最近の車両とは窓の構造が異なるタイプの大型路線車・1988年式の日野P-HT235B形の場合、前2枚、後1枚、左19枚、右23枚の計45枚ものガラスが使われていた。

次ページは : ■(6)長距離を駆ける大型高速車

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。