電車とバスは何かと対決関係にされやすい間柄の公共交通機関。でもたまにはお互い手を取り合って、電車/バスを交互に乗り継いでいき、5日目の朝(96時間後)にどこへ到着しているのか、東北方面でチャレンジしてみた。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、交互の旅東北編の道中写真があります)
■東のほうを目指してみる
2025年2月に、神奈川県の横浜駅をスタート地点にして、東海道本線沿いを進みながら西日本方面へ、電車/バス交互乗り継ぎ旅を試してみた。
その際、だいたい予想した通り時間と費用が嵩むのと、「メモを取ってはいけない」というルールを設けてしまったため、どうやって電車とバスをうまく繋げるかにより一層悩まされつつも、5日目の朝にいた場所は徳島県のJR徳島駅前だった。
その第二弾として、今度は東の方を目指してみることにした。まずは基本ルールをおさらいしておくと……
【交互乗り継ぎ基本ルール】
(1)各種公共交通機関を、種類が連続しないよう乗り替えながら移動
(2)乗っている列車やバスが終点に着いた場合、必ず別種の公共交通機関に乗り換える。途中で降りるのは自由
○:電車→バス→電車→バス→電車…
×:バス→電車→電車→バス→バス…
(3)電車で同じ駅を2回通ってはいけない
(4)ホテル等の送迎サービスとタクシーは「バス」に含める
(5)船(リセッター)利用可。ただし船→船への乗り継ぎはNG
(6)徒歩移動は最後に利用した交通手段の延長線上
(7)新幹線は1日1回のみ利用可・距離100.99kmまで
(8)送迎サービスとタクシーは合わせて1日1回のみ利用可・距離9.99kmまで
(9)初電→終電・初バス→終バス みたいなのは忙しないのでよしとこうや
(10)デジタルガジェットのフル活用可・ただし絶対にメモを取ってはいけない
【利用できない乗り物】
高速バス(一般道走行区間のみの利用も×)、夜行列車、飛行機、距離100.00km以上の航路
……といった要領。ここで言う「電車」は慣用表現なので、ディーゼルカーでもハイブリッドでもモノレールでも路面電車でも、鉄道/軌道関係は一通り電車の枠組みに入れてある。
■さて、どれに乗っていこう?
スタート地点は前回と同じ横浜駅。駅前に着いたのが9:30頃だったので、そのまま9:30が開始時刻になった。
まずは12:30頃までにJR品川駅に着ければ良いようにセッティングした。品川からは電車を使いたいので、一つ前の移動手段をバスにしないといけない。
横浜→品川間を電車/バス交互に乗り継ぐ行き方は、複数のパターンから選べるくらい豊富。あとは好みの問題であるが、3時間も余裕があれば、まっすぐ向かう必要はなさそう。
■電車に乗るため行くのは……あの場所!
ちょいと神奈川東京の路線バス旅でも堪能しながら遠回りしていこうと決めて、横浜駅の最初の一手として京急線の快速特急に乗車。京急川崎で下車した。
川崎駅前のバスターミナルからは、京急バスが運行している羽田空港行きの「空51系統」が出ている。高速に乗らない一般路線バスであるところが魅力。
別にこの日は飛行機に乗る用事なないけれども、なんとなく羽田空港の旅心あふれる活気に触れたい気がしたので、このルートを選んだ。
電車を降りて空51系統の乗り場を探すと、18番とあった。地下道を通って乗り場に上がると、なんとまぁ「空51」と表示された、京急バスの大型路線車が目の前で発車していった。
都会だろうと田舎だろうと、電車→バスの乗り継ぎにはよくあるパターンだ。空51系統は30分おきのダイヤ設定で、出だしからフルインターバル待ちのエアポケットにはまり込んでしまった。
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