見えないカベに遮られがちな電車とバスの関係性。でもたまには手を取り合って、電車とバスを交互に乗り継いでいったら、どの辺まで辿り着けるだろうか。横浜駅をスタート地点にして東北方面を目標に進み始めた3日目。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、交互の旅東北編の道中写真があります)
■すぐそこ(?)な、3日目の到達限界点
3日目は岩手県の盛岡駅前からスタート。このまま岩手県内を通過して、青森県へとコマを進めるつもりだ。
この日どこまで行けそうかを前夜に検討してみた。進みたいと考えている方面への、電車/バスのダイヤ的な都合と、泊まれる場所を考慮に入れたところ、青森県の八戸周辺が到達限界点だろうと予測が立った。
盛岡→八戸まで、新幹線でまっすぐ行けば最速27分・96.6kmと、1日目・2日目に比べればかなり短い距離だ。
そのまま新幹線に乗っても距離100.99km以内に収まっているため、ルール上は問題ない。それでも良かったのだが、八戸に着くのが昼前だろうと夕方だろうと、翌日の結果は同じ。
なら寄り道するのも悪くないと判断して、電車/バスを交互乗継しながら八戸に着ける他のルートを探してみた。
■岩手県をナナメにぶった切るバス
各種交通手段を物色している最中、「お、これ楽しそう」と目をつけたのが、JRバス東北が運行する「白樺号」だ。
このバスは盛岡を出発後、岩手県をナナメに横断しながら、三陸エリアの久慈駅前まで向かう路線で、元々は国鉄が鉄道線を作る予定だった区間を、先行営業を始めたバスが今もそのまま繋いでいる。
全区間の距離が約110kmと、なかなかの中距離ランナー。それもあってハイデッカータイプの車両(当日は日野セレガ)が使われているが、あくまで「白樺号」は高速道路を通らない普通の路線バスだ。
盛岡駅東口のバス停が始発の10:15発をつかまえて、車窓を流れる緑豊かな岩手県内陸部の景色に目を奪われつつ165分の乗車体験。13:00に久慈駅前へ着いた。
■長くも短い待ち時間
久慈で乗り換えるのはJR八戸線。ローカルな様相を見せる八戸線の本数は少なめで、直近では13:03発があった。
バス→電車(八戸線は非電化)への乗り換えで「3分」はかなり厳しい。ここは無理せず13:03発を見送って、次の列車に乗ることにしましょ。
じゃあ次は何時なのかと時刻表を見れば17:00発である。やはり八戸線はローカルで間違いない。これでほぼ4時間の乗継待ち時間ができた。
せっかく三陸まで足を伸ばしたので、トートバッグをコインロッカーに押し込んで、久慈駅とその周辺を散策することに。
駅前→道の駅→三角山とあんまり見えない展望台→三船十段記念館(休館日)→しまむら→その辺で撮り鉄→駅前、の行程で歩いて回るうちに、4時間どうやって過ごすかの悩みも忘れるくらいの、短い体感時間へとスッカリ変わっていた。
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