大昔のザ・ドリフターズの映画にも電車屋とバス屋が張り合う話があったけれど……たまには手を取り合って、電車とバスを交互に乗り継いでいったら、どの辺まで辿り着けるだろうか。横浜駅をスタート地点にして東北方面を目標に進み始めた2日目。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、交互の旅東北編の道中写真があります)
■新幹線の乗りどころはどこか?
2日目は宮城県の石巻から再スタートになる。1日でどのあたりまで行けそうか、お隣・岩手県の盛岡あたりまで到達できれば及第点かな? と考えた。
とはいえ、両県は結構広いのが特徴。それこそ仙台→盛岡には新幹線に乗れば40分くらいで行けるが、それは新幹線が時速320kmで走る力技によるもの。距離にすると180km以上離れているワケで。
石巻からどこか新幹線の駅へ向かって、各停タイプの「やまびこ」をつかまえて盛岡に行けないかと、メモを取ってはいけない制限の下、少々勘案してみる。
仙台〜盛岡の間には、古川、くりこま高原、一ノ関etc……と続いて何駅かある。これのどこかにバスで到達すれば課題をクリアできそう。
しかし、例え駅に着けたとしても、新幹線は1日1回・100.99kmまでのルールが控えており、各駅→盛岡駅までの距離を確認しておく必要がある。その結果……
×古川:140.3km
×くりこま高原:119.1km
○一ノ関:90.2km
……の数値が出た。制限内で最も有効にカードを使えるのは一ノ関〜盛岡間の利用か。一ノ関駅は岩手県内なので、交互乗り継ぎルールを適用すると、宮城県内の通過に関しては新幹線に頼りたくても頼れない、ということになりそう。
後からなら幾らでも候補をポンポン出せるかもしれないが、チャレンジ中の限られた時間内では得られる情報もそれなり。一ノ関を新幹線乗車駅に設定して盛岡を目指してみましょ。
■どうにかして石巻→一ノ関へ行く
石巻〜一ノ関間の移動は、電車のみを使う分にはそれほど難しくない。ところが路線バスを挟んだ途端、2辛だったものが38辛くらいに爆上がりして一筋縄では行かないとはこのこと。
使える時間を使ってじ〜っくり吟味して、石巻駅スタートで1本だけ光りそうな筋があった。2日目の初めは路線バスのターンだ。
石巻駅前からは、ミヤコーバスが運行する「河南線」を利用する。新しめの中型路線車いすゞエルガミオに揺られて50分ほど。河南総合支所という場所が終点で、そこまで乗って行く。
電車とあんまり関連のなさそうな所ながら、よくよく見てみれば徒歩圏内にJR石巻線/気仙沼線の「前谷地」駅があるのだ。ゆっくり歩いて10分かからないくらいだった。
■ピンポイントに電車を選ぶ
ちょっと注意が必要なのは、前谷地駅は気仙沼線BRTの停留所が併設されている点。前谷地では気仙沼線に乗り換えるが、時間によって電車(ディーゼルカー)ではなく、直通するBRTの便に当たってしまう。
BRTはバス扱いなので、バス→バスへの乗り継ぎとなるため前谷地駅での乗車はNG。当日は日曜日。時刻表と綿密に相談して、キハ110が来るタイミングにビッタリ合う石巻駅前9:30発のミヤコーバスに乗ってきた。
電車の区間は20分くらい。「柳津」という駅で線路が途切れ、ここからは気仙沼線BRTが接続している。
BRT区間は約55kmと結構な距離で、専用道路などBRTらしさ溢れる“ちょっと風変わりな”路線バス旅が2時間近く味わえる。
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