日本初の連節バス「つくば科学万博スーパーシャトル」は万博のレガシーとなったのだった!!

日本初の連節バス「つくば科学万博スーパーシャトル」は万博のレガシーとなったのだった!!

 1985年のつくば科学万博開催中に運行されたスーパーシャトルバスに、ボルボ社製連節バス100台が輸入され、万博中央駅~会場北ゲート間を運行した。超大量輸送という特殊な事例であったにせよ、これは画期的なニュースだった。

(記事の内容は、2025年12月現在のものです)
執筆・写真/諸井泉(特記を除く)
※2025年12月発売《バスマガジンvol.131》『日本を走った初めての連節バス』より

■全長約18mの超大型バスが100台運用されたスケールが驚異だった!!

万博中央駅スーパーシャトルバスターミナル風景(撮影/戸塚和夫)
万博中央駅スーパーシャトルバスターミナル風景(撮影/戸塚和夫)

 つくば連節バスは、1985年のつくば科学万博(EXPO85)で日本初の本格的な大量輸送手段として導入され、「万博レガシー」として今も語り継がれている。

 つくば連節バスの導入と運用では、万博輸送の課題解決のため、スウェーデン・ボルボ製シャシーと富士重工業製ボディを組み合わせた全長約18m・定員162人という超大型バス100が台運用された。

 「スーパーシャトル」と名付けられ、万博中央駅と万博会場北ゲート間を大量輸送する役割を担った。このバスのために、バス専用レーンや専用道路の整備も行われるなど、道路インフラ面でも大きな工夫があった。

 万博後のレガシーでは、万博終了後、80台はオーストラリアなど海外へ輸出され、16〜20台ほどは東京空港交通(リムジンバス)など国内の一部に譲渡された。

 日本初の本格的な連節バス運用事例は後のバス輸送、都市づくりに大きな影響を与え、現在各地で続く連節バス導入の先駆けとなった。

 大量輸送の技術や運行ノウハウは、万博後に各地のバス事業のモデルとして受け継がれたが、社会的・技術的な意義としては、運転士・乗客双方の安全や効率的な乗降、道路専用化のノウハウなどは、その後のバス業界全体の発展に寄与した。

 人手不足や持続可能な都市交通の解決策として、つくば連節バスの経験値は今も生かされている。つくば連節バスは、単なる万博向け車両にとどまらず、日本都市交通史における重要な「レガシー」と位置付けられている。

■連節バス運行の目的はただとにかく大量輸送!! これに尽きる!!

当時の妻木赤塚線を梯団運行するスーパーシャトル
当時の妻木赤塚線を梯団運行するスーパーシャトル

 導入目的としては、万博会場と最寄り駅間における大量輸送の効率化と、万博期間中の来場者輸送を滞りなく行うため、通常の大型バス1台分の1.5倍以上の輸送力を持つ連節バス導入によって輸送力の大幅な向上を目指した。

 また、運転士不足の対応として、連節バスは1台で多くの乗客を運べるため、乗務員数の削減・効率化も期待された。交通の円滑化では、専用レーンや信号優先制御の導入により、スムーズな運行を実現し、渋滞や遅延の軽減を図った。

 将来的な都市交通のモデルケースとしての役割として、科学技術の先進性を示すとともに、大量輸送や環境負荷軽減のための連節バスの可能性を広める狙いもあった。

 このように、つくば連節バスは1985年の科学万博輸送課題を解決する目的で導入され、その後の日本における連節バス普及の先駆け的存在となった。

 連節バスが現代公共交通に与えた影響としては、まずは大量輸送力の向上だ。約1.5倍の輸送力を持つ連節バスは、都市部の混雑緩和や大量輸送ニーズに対応し、高頻度運行が困難な地域で効率よく多くの乗客を運べる解決策となった。

 また、運転手不足対策の一環として、1台のバスで多くの乗客を運べることから、乗務員不足の地域での路線維持や効率的な運行に寄与した。

 そして安全・先進技術の導入が促された。新国産連節バスは自動ブレーキや車間距離保持支援、プラットフォーム正着制御など先進安全技術が盛り込まれ、公共交通の安全性向上に貢献した。

 さらに都市交通政策への大きな影響も与えた。連節バスの導入がBRT(バス高速輸送システム)の拡大や低炭素社会への貢献を促進し、都市の移動需要の増大や公共交通の回遊性向上に寄与している。

 以上から、日本における連節バスは普及に多くの制度的・運用的課題を抱えつつも、都市交通の効率化や運転手不足問題、安全技術導入に対して重要な役割を果たしているといえ、こうして現在の連節バス運行の礎となっていたといえるだろう。

【画像ギャラリー】つくば科学万博の思い出と共に……連節バス「スーパーシャトル」の活躍は永遠に語り継がれる(10枚)画像ギャラリー

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