「高速バス」と聞くと、北海道を除き異なる都府県同士の街と街を、高速道路経由で繋ぐ交通手段というイメージを抱きがち。そんな中、高速道路を走るけれども県内から一歩も外に出ない、言うなればローカル高速バスといった存在感を放つ、ちょっとユニークな路線にも時々出会う。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、淡路交通舞子・福良線の写真があります)
■淡路島へ行く主要アクセス手段
関西地方・兵庫県の淡路島。四国と本州との間を隔てる、瀬戸内海に浮かぶ最大の島と言われる淡路島へは、1998年の明石海峡大橋の開通後は、高速バスが公共交通の主役となって本州から直接行けるようになった。
2026年7月現在、本州側の高速バスの主なアクセス拠点となっているのが大阪と神戸。うち神戸発のバスは兵庫県内完結型で、ローカル高速バスの条件に当てはまる。
これは神戸周辺〜淡路島の南端までが80kmほどあり、県の外に出なくても中距離クラスの高速バスが成り立ってしまう、地形的に距離を稼げる特殊な状況が、ローカル高速バスに活躍の場を提供しているわけだ。
■本州〜淡路の南端を結ぶ高速バス路線
各高速バスの淡路島側の行き先は多岐にわたるが、ここでは南端に位置している島内主要地・福良(ふくら)の街との間を結ぶ路線に注目したい。
前述の通り神戸エリアの神戸空港/新神戸駅/神姫バス神戸三宮BTのいずれかを始発にする「三ノ宮・福良線」が代表格で、停車ポイントが少ない特急タイプの立ち位置だ。
このほかに停車ポイントの多い、各停タイプのバスも用意されており、こちらは「舞子・福良線」の路線名が付いている。
バスの運行業者は淡路島の公共の足を支える淡路交通。ほか三ノ宮・福良線では神姫バスと本四海峡バスが共同運行している。
■変わった場所が始発です
上記の福良行きローカル高速バスをさらにクローズアップすると、各停タイプの「舞子・福良線」に一際の異彩を感じる。
この路線にユニークさを覚える最大の要素に、本州側の始発ポイントが挙げられる。JR線の舞子駅もしくは山陽電車の舞子公園駅から歩いて向かう「高速舞子」バス停がそれにあたり、なんとこの停留所、高速道路上に設置されているのだ。
高速道路上のバス停はごくありふれた光景ながらも、あくまで中継地点という性質が強め。そこを舞子・福良線が始発として利用しているところに、ついつい好奇の目を向けてしまう。
しかも、高速舞子バス停は明石海峡大橋の本州側の付け根部分に無理してくっ付けたような位置関係で、標高20m程度の高さに本線が通っていることから、地上から本線と同じレベルに上がるための無骨なエスカレーター設備がまず目を惹く。
高架の真下にガラス張りの待合所兼・対向車線連絡通路がビルトインされているなど、バス停の作り自体が相当な変わり種で、乗り場へ行くだけでも、設備の風化の具合が些かディストピア感を誘うアトラクション気分に浸れて楽しい。






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