ちゃんと行けるのか?
鉄道の跡を辿るような形でバスを利用するにあたって、ぬかびらスキー場前行きの本数が少ない関係で、ちょっと事前に時刻表を開いて案を練っておくと安心だ。
約65kmある経路のうち、帯広駅から約10km地点の音更(おとふけ)までは他系統合わせてバスの本数が結構多く、そこから先は便数が減るものの、約40km地点の上士幌までは何回か途中下車が可能だ。
終点の糠平は温泉地でもあり、宿泊施設を中心にした静かな温泉街が広がっている。現地に1泊するなら、帯広駅BT13:45発・十勝バスぬかびら営業所15:31着の便を、どこかでつかまえるのが丁度良いだろう。
国鉄士幌線の元沿線には、鉄道時代を偲ばせる施設や公園・モニュメントなどが多数置かれている。代替バスは概ね線路の近くをトレースする形で走行するので、一度に全部は無理だが途中下車してそういった場所へ立ち寄るのもそこまで難しくはない。
バスの経路上に道の駅が2箇所あるのも魅力的である。一つ目は士幌町にあるピア21しほろ、二つ目は上士幌町の道の駅かみしほろだ。
音更町にも道の駅があるのだが、近年移転した関係で今回のルートに組み込むのはちょっと難しい。
代替バスを利用してみた際に選んだ便は、まず帯広駅BTを12:00に出発する拓殖バス上士幌線だ。これでまず道の駅ピア21しほろへ行くことにした。
平日昼間の便なのもあって帯広駅バスターミナルを出る段階で乗客は10名ほど。ここから北へ向けてバスは走りだす。
帯広市街地をしばらく進み、十勝川にかかる十勝大橋を渡ると、拓殖バス/十勝バス上士幌線のメインルートである国道241号線を通りながら音更町に入る。このエリアは人口が多く、道路沿いには数多くの飲食店や商店が並ぶ。
音更を過ぎたあたりから建物の密集度がだんだん緩くなり、次第に十勝地方らしい広大な農地と牧草地が車窓に広がりはじめる。
ちょうど国鉄士幌線の線路跡と並行する形でバスは淡々と、まっすぐな国道241号線を走る。帯広から45分ほど経ったのち、進行方向左側にマンサード風の屋根が乗る大きな建物が見えてくる。そこが道の駅ピア21しほろだ。
最寄りのバス停には「士幌22号」という道の駅とは関連のない名称が付けられているので、最初ちょっと戸惑うかも。
次のバスは13:46発で1時間ほどの滞在。色とりどりな地元の特産品が所狭しと並ぶ道の駅は訪問するだけでワクワクしてくる場所だ。
ここから約2.5km先に、国鉄士幌線の士幌駅駅舎と貨車等が展示物として整備されている。「士幌」バス停留所が最寄りだ。
1時間後にやって来るのは十勝バスの上士幌交通ターミナル行き。25分程度で上士幌交通ターミナルに到着する。
上士幌交通ターミナルから900mほど離れた場所に、2020年にオープンした道の駅かみしほろが営業している。上士幌には交通公園や日帰り入浴施設などもあり、そちらに立ち寄るのも楽しい。
上士幌滞在は50分少々。次に乗る交通ターミナル15:06発が糠平まで行く便となっていて、こればかりは逃せない。
ぬかびらスキー場前行きバスをつかまえ、上士幌の町を抜けると国道273号線に入り、景色がだんだん山深くなってくる。ちなみに途中の長〜い直線にオービスが1箇所ある。
民家が完全になくなった無人地帯を進んでいくうちに、進行方向左側に士幌線で使われていたコンクリアーチ橋や、1955年に竣工した人造湖・糠平湖の糠平ダムがチラリと見える。
上士幌から約25分ほど経つとバスは再び町に入る。ここがぬかびらの温泉街だ。15:31、十勝バスぬかびら営業所に無事到着した。この日に乗車していたのは3名であった。
終点のぬかびらスキー場前から営業所まで600mくらい、温泉街中ほどの「ぬかびら温泉公園前」バス停までなら約300mなので、もし乗り過ごしても歩いて戻れる。
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