■たいへん分かりやすい経路
ほどよく席が埋まるくらいの利用者を乗せて、時刻通りにバスが発車。バス停の目の前を国道1号線が横切っており、左折して1号に入ると、ほぼ道なりに進む「まっすぐルート」な路線だ。都会のバスではちょっと珍しさを感じる。
反01系統は電車の駅がないエリアをカバーする路線と言えるが、実は五反田から4.9km地点の西馬込まで1号線の下に都営地下鉄浅草線が通っているので、その区間だけ例外的に“並走”する感じだ。
浅草線を除きバス路線の周辺から駅までは、どこも少々離れているが、JR山手線、東急池上線(2回)、東急大井町線、東海道新幹線、東急多摩川線と、鉄道線と道路がクロスする箇所はバラエティに富む。いずれも高架になっているため踏切待ちはない。
肝心の東京都と神奈川県の境目はどこにあるのか? ずばり多摩川だ。五反田を出発して8.7km進むと「多摩川大橋」バス停があり、通過後すぐに橋を渡る。
進行方向左側に都県境を示す標識が立っている。県境越えの乗りバスでは境界の標識が特に重要なビュースポット役を担うため見逃せない。
多摩川大橋を渡り切って1kmほど先の遠藤町交差点でバスは左折し、国道1号線に別れを告げて国道409号線、県道9号線へと順次道を変えて、終点の川崎駅ラゾーナ広場バスターミナルに達する。
本数が多いだけに全体で見た利用率は高いようだが、通しでの利用は少ないようで、この日は2〜3名といったところだった。通し乗車に関して最初から重視されていない(と思われる)点は、他の県境越え路線バスと性質が似ている気がする。
■電車よりも早く着ける?
まっすぐルートな路線ながら、さすがに交通量の多い道を通るゆえ、平均時速14.8kmくらいしか出せず、五反田駅〜川崎駅までの所要時間は約50分だ。時間で考えるとそこそこな乗りバス旅を体感できる。
ここで気になるのが、この50分は電車よりも早いのかということだ。電車でなら五反田から品川乗り換えで東海道線を使うのが最速で、その場合の所要時間は約25分、平均時速34.3kmである。バスより速いのは当然と言えば当然か。
では運賃面でのアドバンテージがあるのか注目してみると、バス270円に対して電車は230円。まったく勝てる気がしないので、別の方向から魅力を探ろうとするなら、乗り換えなしで直行できるので凄くラク、というあたりが反01系統最大のメリットか!?
【バス路線の基本データ】
東急バス 反01系統 五反田駅 → 川崎駅ラゾーナ広場行き
・跨ぐ県:東京都→神奈川県
・移動距離:約12.3km
・所要時間:50分
・運賃:270円
・停留所の総数:27
・神奈川県内の区間距離:約3.5km
・神奈川県内の停留所の数:9
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