おじゃまします! バス会社潜入レポート 広島電鉄編【その2】

おじゃまします! バス会社潜入レポート 広島電鉄編【その2】

 バス会社の運営する路線や保有するバスを詳細に紹介する「おじゃまします! バス会社潜入レポート」。今回も広島市内の軌道19.0kmと広電西広島~広電宮島口間の鉄道16.1kmを営業する「広島電鉄」をご紹介しよう。

 広島電鉄100%出資のエイチ・ディー・西広島が運行するボン・バスは、八丁堀と西広島駅(己斐)を基点に、近郊の住宅地を結ぶ、支線的な役割を果たすフィーダーバスとして運行している。狭小路の宅地を縫うように走り、地域の人々の足として活躍中だ。

 また、中山間地域への伸延も活発で、生活集落から「熊野筆」までは工房が点在する地域、そして観光スポットまで、広くネットワークしている。

構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
写真協力/(H)エイチ・ディー西広島、(S)鈴木文彦
※2019年11月発売「バスマガジンVol.98」より

【画像ギャラリー】広島電鉄が所有するバスを詳しく見る! バス会社潜入レポート 広島電鉄【所有車両その1】


■西広島エリアの路線は子会社へ 丘陵の住宅地を走るボン・バス

●花の季台

西風新都に造成された住宅地のひとつである花の季台。バス通りから街路樹と私道を隔てた宅地に瀟洒な注文住宅が並び、美しい町並みが形成されている

 広島電鉄は97年、貸切バスを子会社の広電観光に譲渡。しかし広電観光も05年に貸切バス事業から撤退したため、現在は広島電鉄が小規模ながら営業を続けている。

●沼田出入口

2001年に広島高速4号線が開通。西風トンネルを抜けて、西風新都地区と広島市の中心市街地を直結する路線が開設され、広電バスの利用者が急増した

●三段峡

旅館やみやげもの店が並ぶ旧・三段峡駅前。2003年にJR可部線の可部~三段峡間が廃止されたことで、広電バスは廃止代替機能も担うこととなった

●広電己斐(こい)団地

西広島駅北西の丘陵地に造成された広電己斐団地。急坂を上り下りして西広島駅・八丁堀との間を結ぶボン・バスは、住民にとってなくてはならない足である

 一方、1999年には100%出資のエイチ・ディー西広島を設立。西広島駅と丘陵地帯の住宅街を結ぶ路線の移管を行い、同社が「ボン・バス」の愛称で運行開始した。

●琴谷

石州瓦の民家が印象的な琴谷。島根県境も遠くないこの地から、集落を結んで広島バスセンターへ向かうバスは、一日10本(日祝日は9本)運行されている

●熊野町

「熊野筆」の産地として名高い熊野町。近年は化粧筆を生産する企業が増えたが、昔ながらの書筆をつくる匠もおり、町には小さな工房が点在している

 その後、路線は広島の都心部に延長されたほか、18年に開業した「ジ アウトレット 広島」には広島電鉄とともに乗り入れた。なお、04年には広電観光の貸切バスの一部を引き継いでいる。

■呉市交通局のバス路線を引き継ぐ

●倉橋島

音戸大橋を渡り倉橋島にやってきた桂浜・温泉館行き。本土と島を隔てる「音戸の瀬戸」は平清盛が開削したと伝えられ、橋の下には「清盛塚」がある

 広島電鉄は2012年、呉市交通局のバス事業を引き継いだ。

●宝町車庫

JR呉駅に隣接する宝町車庫を元・呉市営バスの車両が出庫。呉市交通局から引き継いだ警固屋出張所宝町車庫は、呉駅に発着するバスの待機場を兼ねる

 1970年代から赤字が続いていたバス事業について、市議会は民間への一括譲渡を議決。プロポーザル方式により選定された広島電鉄が譲受したものである。

●中央桟橋

呉中央桟橋に続く歩道橋から「海上自衛隊呉資料館」を望む。2004年に除籍された潜水艦「あきしお」が展示されており、“鉄のくじら館”とも呼ばれている

●昭和町

昭和町付近の車窓には、ジャパンマリンユナイテッドのドックを見ることができる。かつて戦艦「大和」を建造した呉海軍工廠を起源とする造船会社である

 これにより、広島電鉄は呉の中心市街地やJR呉線の沿線、警固屋・倉橋島方面へと路線を拡大。広島~呉間の準高速バスの担当ダイヤも倍増させた。

おじゃまします! バス会社潜入レポート 広島電鉄編【その1】

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