みなさん、こんにちは。路線バス運転手の運屋フランクです。私は毎日バスを運転しているのですが、運転席はアイポイントが高く、視界がとても良いため、すれ違うドライバーの姿がよく見えます。
その態様はさまざま。ここには書けないようなことをしている人もいますし、明らかに危険行為をしている人もいます。
例えば信号のない横断歩道で歩行者がいるのに止まらない営業車や、停車中のバスを強引に追い越すオラオラミニバン、スマホに夢中で対向車線をはみ出している奥様など、重大事故に関わる事例も見受けられます。今回はバスの運転席から目立つ、一般ドライバーの危険行為をピックアップしてみました。
文/運屋フランク(現役バス運転手)、写真/AdobeStock(トップ画像=mapo@AdobeStock)
■歩行者が横断歩道を渡っていてもまったく止まらない対向車
前置きでも触れましたが、横断歩道での一時停止は全国的に取り沙汰されたため、認知度は上がりました。しかし、運転席から見ていると依然として止まらない人が多いのが現状です。
特に朝夕のラッシュ時は停車率1割以下という実感。私は歩行者がいれば当然止まりますし、歩行者がいなくても見通しが効かない場合は減速します。
しかし、対向車はとにかく止まらないことも多い。しかも「なんで止まっているの」と私をガン見してくる人や、後ろからクラクションを鳴らす人さえいる始末です。
ただ、一方的にドライバーが悪いのかというとそうとは言い切れません。夜間、歩行者などを認識しづらい横断歩道があるのは事実なので、環境の整備もお願いしたいところです。それから歩行者の皆さんも、自分の身を守るために反射材、ぜひ身に付けてくださいね。
■早めにライトをつけてくれないとミラーで視認できない
クルマにオートライトの装着が義務化されました。そのおかげでトンネルなどでもライトのつけ忘れや消し忘れがなくなり、夜間の点灯のし忘れも減って安心……でしょうか?
ライトが必要なのは夜間だけではありません。近年ではゲリラ豪雨の発生が当たり前になりました。そんな悪天候時につけてほしいのがライトなのです。
バスは停留所から発進する時、右ミラーを見て後方を確認します。その時に悪天候で後続車が無灯火の場合、視認が困難です。最近は雪も多かったので、全く後ろが確認できず怖い思いをしました。だからライトをつけてほしいのです。
前述の横断歩道の例で言えば、歩行者がクルマの接近を視認できず、轢かれてしまう場面を想像できます。人を轢いてしまったら、大変なことになります。ライトをつけて自分の存在を知らせることで、たくさんの事故を防げます。「早めのライトオン」をお願いします!
ちなみに弊社にも定期的に新車のバスが導入されるのですが、路線バスに限って言えばオートライトはついていません。オートライトは便利なので、ぜひバスにもつけてほしいですね。