■挿されば何でも挿していい?
そういったバスのコンセント、プラグの形が合っていれば何でも挿して良いのかと言えば、決してそうではなく、利用して構わない機器の種類がある程度決まっている。
バッテリーで動作する「携帯電話」、「スマートフォン」、「携帯ゲーム機」の充電が、大抵のバス事業者で共通している車内コンセントの用途だ。
よく、使ってはいけない道具の例になるのがヘアーアイロンだ。これには道具の消費電力が大きく関わってくる。
スマートフォン等の充電器の場合、種類によって異なるが大容量タイプと称するもので5V 2.4Aくらいなので、消費電力で表すと12W程度になる。
ヘアーアイロンもまた種類ごとに違うものの、1200Wなど非常に消費電力の大きいタイプがネックに。さすがにバス用の電源では、容量が足りずブレーカーが落ちる恐れが出てくる。
乗客がどんなタイプのヘアーアイロンを持ち込むかは分からないため、消費電力の大きい方に合わせるしかなく、一律利用NGとなっているわけだ。
同様にノートPCもゲーミング仕様となれば、一度に300Wも500Wも食べてしまうモデルが存在する関係で、充電可能なデバイスの対象外であることが多い。
■最大何ワットまで行ける?
ここで少し気になるのが、バス車両が積んでいる電源供給装置(インバーター)は、最大何ワットくらいの容量を確保できるのか、という点だ。
当然バス事業者によって使用している機器の種類がバラバラで、「これ」と言える数値はないのだが、軽く掘り下げてみたところ、大容量タイプで2500Wくらいまで出せるモデルが発売されているようだ。
2500WあればヘアーアイロンでもゲーミングPCでも別に行けるのでは?と思いきや、それを40席に分配したとすれば、1席あたりの(平等な)利用枠は62.5Wになる。
しかも、電気関連は軽視すると突如として凶暴化するので油断は禁物。カタログ値最大までフル稼働させず、スペックより低めに見積もっておいたほうが何かと無難だ。
そうなるとコンセント一口あたりで使える容量は更に減る。各バス事業者で携帯端末の充電くらいに目的を絞っているのは、やはり何よりも乗客の安全を考えてのこと、と思われる。
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