今でも見られるつくば科学万博と“初めての連節バス”「スーパーシャトル」のレガシー

■各地で活躍中のBRTの原点は「スーパーシャトル」だ!!

 現在、全国17の路線で「BRT」と呼ばれる連節バスが運行されている。

 この連節バスと「スーパーシャトル」を比較すると、現在の単車運行の連節バスと100台もの連節バスが梯団運行していた「スーパーシャトル」の共通点を見つけることは難しいように思え、誰もが「スーパーシャトル」は過去にあった話と切り離して考えがちである。

 しかし、バスだけでなく万博ならではの遺産があった。

 そのひとつは乗車方法だ。万博中央駅から乗車した利用者は乗車券を購入することなくそのままバスに乗車。

 バス車内では運転手は運賃収受や乗車券の確認といった作業は行わず、会場北ゲートのスーパーシャトルバス」専用口で運賃を支払うシステムになっていた。いわゆる「完全キャッシュレスバス」に近いものだった。しかも、交通系ICカードがない時代にあってこれを実現させていた。

当時の学園西大通りを走るスーパーシャトルの車列。車線の中央寄りが連節バス専用レーンとなっていた
当時の学園西大通りを走るスーパーシャトルの車列。車線の中央寄りが連節バス専用レーンとなっていた

 また、「スーパーシャトル」はほぼ全区間一般道を走っていたが、中央よりの一車線がバス専用レーンとなっていたし、平面交差点ではセンサーによってスーパーシャトル通過時には青信号になるシステム設備、現在のPTPSと呼ばれる公共交通優先システムが導入されていた。

 現在の一部の連節バス路線で導入されているBRTの運行を考えると、「スーパーシャトル」がその原点であったとも考えられる。

 「スーパーシャトル」は万博中央駅から会場へのつくば科学万博観覧者のための輸送バスで、沿線など地元の人が利用することはなかった。

 しかし、沿線住民の人々は何台も連ねて走るスーパーシャトルの姿を見て、21世紀にはどんな未来がやってくるのか想像を膨らませてみていたし、「スーパーシャトルの運行によって、道路も拡張整備され、生活環境も改善されていた。バスに乗る機会がなくても、「スーパーシャトル」は付加価値を与えていたのである。

 2025年に開催された大阪・関西万博は、「スーパーシャトル」について考えてみるいい機会となった。

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