高速路線バス網の発達により、今や多くの都市間がバスで結ばれるようになった。長距離移動と言えば、これまで航空機か鉄道が主流だったが、時間は掛かっても価格が安い高速バスが生まれたことで、特に価格に対してシビアな若い世代が飛びついた。
文・写真:橋爪智之
構成:中山修一
■高速バスが集まる巨大ターミナル
こうした高速路線バスの多くは、主要ターミナル駅や繁華街に近い場所にあるバスターミナルから発着している。
東京で言えば、バラバラに設けられていたバス停を集約して2016年に開業したバスタ新宿が有名だし、福岡の天神バスターミナルは、日本全国で見てもバスタ新宿に次ぐ規模を誇るバスの大型拠点だ。
では、ヨーロッパのバスターミナルはどんなものだろうか。筆者の地元であるチェコのプラハには、市内にいくつかのバスターミナルが設けられているが、その中で最大規模なのが、市内中心部から少し東側に位置する「プラハ・フローレンツ・中央バスステーション」だ。
■意外と古い歴史! プラハの中央バスステーション
地下鉄2路線の乗換駅に接続するこのバスターミナルは、1927年に当時のチェコスロバキア国鉄がバス事業を開始したことを受けて、1929年に開業した。
当初は郵便輸送なども兼業し、プラハ周辺に15路線が設定された。その後は法令改正によって、1950年には国営バス会社CSADへ移管されている。
社会主義から脱却し、チェコとスロバキアが独立してからは、1994年に民間会社の市場への参入が認められるなど大きな変革期を迎えた。
■最近の中央バスステーションの様子やいかに?
このバスターミナルも、時代の変化とともに多くのバス会社を受け入れていくことになる。運営主体も、設立当時は国営だったが、現在は民営化されている。
現在のバスターミナルは、位置こそ当時と変わっていないものの、2002年8月に発生した大洪水の影響で周辺地域が完全に水没したことで再建された。
2003年秋に、まずバスのプラットホームなどが再建され、2009年には新しいターミナルビルが完成した。この建物の中にはチケット売り場のほか、待合室や商店、ファストフード店などが入居している。
規制緩和によって、多くの国際路線が乗り入れるようになったため、両替所や荷物預かり所も設けられている。
新しいビルとは別に、古いターミナルビルもそのまま使われており、こちらにも両替所や荷物預かり所のほか、トイレや飲食店も入居している。上層階には、現在は鉄道管理局が入居している。
■限られたスペースを有効活用したレイアウト
バスが停車するプラットホームは円形になっており、その円形部分にホームが並び、さらにその円の内側にも島式のホームが並んでいる。
各ホームには停留所番号が振られ、電光掲示板には鉄道などと同様、「○○行き/何番ホーム」のような案内が表示される。
バスターミナルの脇には、ちょうど鉄道の高架橋が横切っており、発着するバスはその高架橋を潜ってプラットホームへ進入してくる。
この高架橋、石積みのアーチ橋なのもあって、乗車していると天井が高架橋に当たりそうに見えて、いつもヒヤヒヤするのだが、外から見ていても背の高い2階建てバスは意外とすれすれなところを通過している。
高架橋の裏側には待機所があり、ここで洗車をしたり、乗務員が休憩したりする。この車庫の脇にユースホステルが隣接しており、バスターミナルまで徒歩1分少々と抜群の立地にある。
路線バスユーザーの多くが若者であることを考えると、抜群の立地と言えるかもしれない。これらのバスターミナル施設の入り口にはゲートが設けられているため、一般車の進入はできない。














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