「2020年度 シチズン・オブ・ザ・イヤー」 バスマガジンvol.101でご登場いただいた銀河鉄道株式会社の山本宏昭さんが受賞!!


 市民社会に感動を与えた良き市民を、1年単位で選び顕彰するシチズン・オブ・ザ・イヤー 。これはシチズン時計株式会社が1990年から主催しているもので、本年度で31回目となるもので、選考委員会が1月5日に開かれ、今年の受賞者が決定した。

 選ばれた3名(グループ)の中に、バスマガジンvol.101の[バス屋稼業]で紹介し、コロナ禍で地元の通勤客の感染不安をなくそうと、半年にわたって無料の通勤バスを都心までの運行を続けた、銀河鉄道株式会社の山本宏昭さんも含まれていた。

文:バスマガジン編集部

【画像ギャラリー】半年間に140本以上を運行、延べ2400人を東村山から都心まで送り届けた


コロナ禍の通勤電車内で軽い咳払いから、乗客同士がケンカになったニュースに心を痛めた……

草軽交通から銀河鉄道が買い取り、貸切バスとして運行している、日野RC701P。1981年式で、ドラマに登場したこともある

 東京都東村山市でバス会社「銀河鉄道株式会社」を経営する山本宏昭さん(57歳)は、新型コロナウイルス感染が拡大し始めた2020年3月12日から9月11日までの半年間、観光バスを提供して通勤客向けのバスを無料で運行した。

 コロナの影響で需要が激減し自社の経営も厳しい中、運行は東村山駅前から新宿西口を経由して東京駅新丸ビル前まで、平日は毎朝続けた。

 山本さんが無料通勤バスを始めたのは、コロナ禍の通勤電車において車内での軽い咳払いから乗客同士がケンカになったというニュースに心を痛めたため。「社会のために通勤を余儀なくされている方が、少しでも感染の不安なく通勤してもらいたい」と立ち上がった。

 国土交通省に掛け合い、運行できることが決まると、山本さんは早速行動に移す。乗車前の手指消毒や車内の換気を徹底し、座席は2席分に1人が座るなど、「密」を避けるように工夫して乗客を運んだ。

2020年9月11日、山本さんは一定の役割を果たせたと判断し、最終便を運行

創業時に新車導入され、特定バスとして使用されていたステップリフト付きの日野リエッセ。銀河鉄道の記念すべき1号車だ

 乗客からは差し入れがあったり、温かい言葉が掛けられた。驚いたのは、無料通勤バスが反響を呼びメディアで取り上げられるようになると、それをニュースで知った全国の人から激励や寄付が相次いだことだ。山本さんの行動は、ひとつの地域に留まらず、全国に感動を与えた。

 2020年9月11日、山本さんは無料通勤バスの最終便を運行。当時、電車通勤での感染事例がほとんど無く、利用者も落ち着き、観光バスの需要も回復し始めた為、一定の役割を果たせたと判断した。半年間で140本以上を運行し、延べ2400人を東村山から東京都心まで送り届けた。

このたびの受賞に至った無料通勤支援バスの表記

 「大好きなバスで地域貢献したい」との思いで、大手バス会社が手をつけない地域の路線バスを、行政からの補助金を受けずに運営している。

 東日本大震災のときは、若い学生たちに被災地での活動を経験してほしいとの思いで、他社が運行を拒む中、被災地へ約2000人の学生ボランティアを無料で運んだ。

 バス業界が苦境に立たされるなか、乗客のことを第一に考えた山本さんの決断はバス好きにとっても忘れがたい功績だ。

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