海外では古くから一般的な、公共交通機関に自転車を乗せて移動できるサービス。日本国内にも「サイクルラックバス」のような通称で、自転車を積む装置を取り付けた、高速バスを除く路線バスが少数ながら一部で運行している。どこで走っていて、どうやって利用するのだろうか?
文・写真:中山修一
前から見ると超目立つ!!
サイクルラックバスには普通の路線車が使われる。名前そのまま自転車用のラックを増設したものであるが、多くの場合はバス車体の正面がラック取り付けスペースに使われる。この形態は海外も日本もほぼ同じだ。
自転車を積まない際ラックは畳まれている。グリルガード付きのオフロード車のようなゴツい全体像になるため、自転車なしの時点で普通の路線バス車両とは印象が劇的に変化し、なかなか目立つ。
畳まれたラックを手前に倒すと自転車が積めるようになり、自転車本体を道路の進行方向に対して横向きに固定する。日本で運行しているサイクルラックバスは、事業者によって異なるが1台または2台まで運搬可能だ。
前述の通り「サイクルラックバス」は通称のひとつで、「自転車ラックバス」や「自転車積載バス」、「自転車積載ラックバス」などの呼び方もある。
運行場所と利用方法はどんな感じ?
2022年現在、バスの正面にラックが取り付けられた、一般利用ができるサイクルラックバスを運行している事業者を確認したところ、以下の要領になった。
(1)東海バス
区間:修善寺駅〜河津駅/修善寺駅・大仁駅前〜亀石峠間の一部の便
自転車の台数:2台まで(車内にも1台積載可能)
利用予約:推奨
積み下ろし:セルフ
積載料金:当面は無料
※車内に積載できる自転車は前輪が取り外せるタイプのみ
(2)神奈中バス(神奈川県)
区間:本厚木駅〜宮の里・上煤ヶ谷・宮ヶ瀬間の一部の便
自転車の台数:2台まで
利用予約:不要
積み下ろし:セルフ
積載料金:100円
(3)JRバス関東館山支店(千葉県)
区間:館山駅〜相の浜間の一部の便
自転車の台数:2台まで
利用予約:推奨
積み下ろし:乗務員立ち会い
積載料金:500円
(4)つくバス(茨城県)
区間:北部シャトル 筑波山口〜つくばセンター間の一部の便
自転車の台数:1台
利用予約:推奨(前日まで)
積み下ろし:セルフ
積載料金:無料
(5)とよたおいでんバス(愛知県)
区間:「快速いなぶ」豊田市〜どんぐりの湯前間の一部
自転車の台数:2台まで
利用予約:必要(利用7日前まで)
積み下ろし:乗務員立ち会い
積載料金:無料
上記以外にも自転車を車内に積み込んで運ぶタイプの車両を運行している事業者があるほか、兵庫県の神姫バスが期間限定のツアー形式でサイクルラックバスを走らせている。
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