外に出れば毎回どこかでバスを見かけるほどバス車両の数が多いのは確かだ。ではもう少し細かく掘り下げるとして、日本にバスは何台あるのだろうか。
文・写真(特記以外):中山修一
■最初はたったの○台だった!?
日本国内のバスのうち、運行ダイヤに則って走る一般路線バスと高速バスを合わせた、いわゆる乗合バスの車両に絞って見ていくことにしよう。
車両台数を確認していくにあたり、せっかくなので時代を遡り、バス黎明期から現代までの台数の移り変わりを軽く調べてみた。
日本で初めて路線バスが走ったのは1903(明治36)年の京都だ。この時にはアメリカ製の乗用車を2台輸入し、それをベースに乗車定員を増やして使用した。日本のバス史はわずか2台から始まったというわけだ。
その後各地で路線バス事業が花咲き、次第に公共交通手段の一つとしてバスが定着。路線網の拡大に合わせてバス車両の台数も増加していった。
1937(昭和12)年発行の「日本乗合自動車協会十年史」によると、1925(大正14)の時点で全国に998台のバス車両が登録されていたとある。
その4年後の1929(昭和4)年になると、なんと1万5985台にまで増えている。4年の間に劇的なバスシーンの変化があったようだ。
■右肩上がりはバスも同じ!! の昭和時代
戦後の1947(昭和22)年以降は、日本バス協会が毎年発行している「日本のバス事業」を参考にした。2023年10月現在、公表されているのは2020(令和2)年までのデータとなっている。
常に稼働している車両や予備車ほか、バス事業者が保有している登録車両を全て合わせると、1947年度の時点で全国に1万2532台のバスがあったとされる。
その後は日本の復興と高度経済成長に同調するかの如く、バスの台数も暫くの間は右肩上がりになっている。1万台だったものが2万、3万、4万台と増えていき、1968(昭和43)年度に6万7694台を記録したところで、いったん増加が止まる。
1969(昭和44)〜74(昭和49)年度の間は、66,000〜67,000台のあたりを行ったり来たりする年が続き、1975(昭和50)年度に再び増加。6万8435台を記録している。
この1975年の6万8435台が、日本のバス史の中で今のところ歴代最多の台数となっている。一方で折り返し地点と言える年でもあり、翌年度から毎年数百台の単位で少しずつ減少に転じている。
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