以前は子どもの将来なりたい仕事に運転や操縦系の職業は、たいていランクインしていたものだった。いまや新幹線の運転士でさえなりたいと思われない職業のようだ。夢がないと言ってしまえばそれまでだが、昔懐かしい昭和の子供の「夢」から令和であるいまの現状をみてみよう。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
■年代や地域により変わるが……
たとえば小学生に将来なりたい職業を聞いた場合は、夢のあるざっくりした回答が多いだろう。
それでも年代や地域により差が大きく、時の世情が反映されるのも考慮する必要がある。
1970年(昭和45年)の小学生男子では運転・操縦系ではパイロットが上位にランクインしている。
新幹線はまだ東海道しかなく、山陽新幹線・岡山開業するのが2年後の時代だ。
スポーツ選手としてはやはりプロ野球選手が上位にランクしている。野球くらいしかメジャーなプロスポーツがなく、子どもにも人気だった。
医者も常時ランクインしていて、人気の夢だったようだ。あとは漫画家やサラリーマン、エンジニア、科学者というのも人気だった。
女子ではお花屋さん、ケーキ屋さん、看護婦さん、保母さん、スチュワーデス、婦警さん、歌手、美容師、学校の先生、そして当時の人気は「お嫁さん」だ。職業は当時の名称だが、現在においてはお嫁さん以外は男性が就ける職業も多い。
もう少し時代が下れば、新幹線の運転士、電車の運転士・車掌、バスの運転士、船長という職業がちらほらランクインしてくる。制服に身を包み、旅客を安全に目的地まで運ぶ運転士は子供たちのあこがれの職業だったのだ。
■ということで最近の傾向は?
最近の子供が憧れる職業には調査の目的や内容にもよるが、男子では運転・操縦系職業はパイロットを含めて上位にはなかなか入らない。
スポーツ系は相変わらずの人気で、具体的に野球・サッカー・バスケットボールなどの名称が出てくる。
医師や会社員も人気上位だが、不況時には常にトップの公務員は小学生では出てこない。そして、保護者が悩んでしまうユーチューバーという新しい「職業」が登場するのも最近のことだ。
女子は昔と比較して社会進出が著しいことから、教師、看護師、保育士、薬剤師、美容師、医師、獣医師、パティシエールと続くが、ファッションデザイナーというオシャレな職業も登場する。
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