乗用車の教習所でも行われているペーパードライバー講習だが、実はバスを運転するために必要な大型二種免許の教習所でも行われているのだ。免許取りたてだったり、しばらく運転から離れていて不慣れな場合にプロの教習員が改めて乗り方を教えてくれるというサービスである。
ちなみに有料ではあるが、大型二種免許をお持ちのバス好きの方が「たまには運転したいなぁ」といった際にも受講できるのはうれしいポイント。場内の課題や路上での運転の模様を360度VR動画と HD動画を収録しているので、実際にどんなことをするのか疑似体験いただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(動画についてはバスマガジンWebあるいはベストカーWebにてご覧ください)
ただ運転したいという理由でも可!
ペーパードライバー講習とは、一般的には普通免許を持つが運転をあまりしないペーパードライバーが、運転の必要に迫られて忘れてしまっている、または運転することへの不安をプロの教習員が教えてくれて練習させてくれるものだ。
しかし、大型二種教習を行っている自動車学校ではその教習車(大型バス)を利用してのペーパードライバー講習も行っている。今回は、長野県駒ケ根市にある「信州駒ヶ根自動車学校」でペーパードライバー講習を受講した。
講習を受ける条件は該当する免許を持っていることなので、理由は練習でもただ運転したいだけでも構わない。同校は大型二種の教習車を20台も保有しているので、何カ月も待つということはあまりないようだ。空いていれば飛び込みでも乗れるほどだ。
なぜエアロバスが?
大型二種の教習車は全長11mの三菱ふそうエアロスターだ。これが20台もある。もちろんフィンガーコントロールミッション車だ。そして、なぜか12mハイデッカー車のエアロバスがある。
同校では免許取得の教習や、今回受講したペーパードライバー講習のほかに、バス事業者からの依頼を受けた運転士の基礎的な訓練も実施している。これには新任ドライバーの他に路線車から高速車や貸切車への移行組も含まれる。
路線車に対したった1m長いだけの全長の差だが、運転してみるとなかなか難しものだ。その関係から12mのエアロバスを保有している。
エアロバスには乗れるのか?
このエアロバスは非常にソソるところだが、もちろんペーパードライバー講習でも乗ることができる。そもそもペーパードライバー講習には教習課程がないので、自由にカリキュラムを組むことができる。
もちろん、最初は場内で路上に出てもいいかどうかの見極めが必要だが、それさえクリアすればこのエアロバスに乗ることも可能だ。
取材日現在では、コロナの影響で稼働が少なくエアロバスは車検未取得のため場内でしか乗れなかったが、いずれ車検は取るそうなので要問合せだ。記者は場内でエアロバスを運転した。
気になる講習料金は日帰りプランの基本料金は最低2時限(1時限は50分)セットで35,200円。1日で受講できる最大時限は4時限までで、基本の2時限を超えて受講を希望する場合は、超えた1時限当たり12,100円という料金体系だ。
久しぶりの大型バス
記者は大型二種免許を持っているが職業で運転したことはないので、正真正銘のペーパードライバーだ。そこでまずは場内での技能見極めをすることになる。周回運転やクランク・S字・鋭角通過・方向転換等の課題をやりながら感覚を呼び戻していく。
「路上に出ても問題ないでしょう」ということになれば、希望により路上に出る。免許を持っているのでバスの前後に「仮免許・練習中」のプレートはない。学校のの敷地を出る前に運転免許証を提示して確認。いよいよ路上だ。