最近はもっぱらLEDっぽいけど……国内外の様々なバスの行き先表示器を振り返ってみた

最近はもっぱらLEDっぽいけど……国内外の様々なバスの行き先表示器を振り返ってみた

 普段、町中で見かける路線バスの行き先表示というと、かつては幕式が一般的だったが、幕は使い続けると破れたりする可能性が高く、また新たな行き先を追加する場合は、幕を交換したり、追加で印字したりしなければならず、少々面倒だ。

文・写真:橋爪智之
構成:中山修一

■最近はもっぱらLED?

白色LED表示のミラノの路線バス。EV車のため充電中
白色LED表示のミラノの路線バス。EV車のため充電中

 最近主流となりつつあるのはLED方式かもしれない。LEDももちろん長期間使い続ければ、経年劣化によって故障する可能性はあるものの、電球と違って理論上は半永久的に使用できる。

 かつて技術が発展途上だった時代は、球切れのように部分的に消えてしまうというトラブルがよくあったが、過去数年で信頼性が大きく向上したことで、こうした表示エラーはほぼ見かけなくなった。

 行き先の追加も、データを入力するだけで完了できるので、わざわざ部品を交換する必要もない。白色LEDが普及しだしてからは、フルカラーの表示器も増え、路線や系統によって色を変えるなど、見やすさも格段に向上した。

英国の地方都市は、ほぼLED表示に切り替わっている
英国の地方都市は、ほぼLED表示に切り替わっている

 全てのバス事業者を完全に調べたわけではないが、日本の場合、現在はほとんどの地域のバスがLED表示器へ置き換えられたのではないだろうか。

 昨年訪れた長崎や福岡、熊本、広島、福島といった都市は、古い車両も含めて幕車は見かけなかったし、もちろん都内の事業者もLED表示器を採用していた。それくらい幕式は珍しくなったと考えて良さそうだ。

■ヨーロッパのバス行き先表示器

 一方で、海外のバスの行き先表示はどうなっているのだろう。筆者の住むヨーロッパ地域でも、LED表示器が急速に普及してきている。

 日本と同様、オレンジや白の単色表示もあれば、フルカラーで系統番号や行き先に色を付けているところもある。複雑な路線網を持つ大きな都市の場合、色分けして差別化しているところが多いようだ。

現在も幕式の行き先表示を使い続けるロンドン
現在も幕式の行き先表示を使い続けるロンドン

 そんななか、英国の首都ロンドンは、今も幕を使い続けている点は興味深い。営業所ごとに担当路線が決まっていて、路線の改編もほとんどないので、積極的にLED化する必要がないと考えているのだろうか?

 ロンドン以外の地方都市では、LED表示器が一般的となっており、ロンドンだけが特殊ということだ。

■ステッカーを活用する場所も

パリの古い路線バス。系統番号は幕、行き先はマグサイン。車体横に行き先と系統番号を記したステッカーが貼ってある
パリの古い路線バス。系統番号は幕、行き先はマグサイン。車体横に行き先と系統番号を記したステッカーが貼ってある

 フランスの首都パリの路線バスも変わっている。他の都市と同様、車体には行き先表示が設置されているが、なんと車体に路線の系統番号がステッカーで貼られているのだ。

パリ76番のバス。前ドアの脇に系統番号と行き先が表示されたステッカーが貼ってある
パリ76番のバス。前ドアの脇に系統番号と行き先が表示されたステッカーが貼ってある

 実質的にはその路線の専用車両ということになるが、よく見るとそのステッカーの脇にフックのようなものが付いており、おそらく他の系統で使用する際は、ここに別の系統番号のプレートを引っ掛けて使用するのだろう。

LED表示となった最近のパリの路線バス。ステッカー表示も無くなった
LED表示となった最近のパリの路線バス。ステッカー表示も無くなった

 それにしても、他の路線で使用する機会がほぼない専用車なら、行き先表示を設置する意味はあるの?と突っ込みたくなってしまう。

 さすがに使いづらかったのか、近年導入された新車は、ステッカーの系統番号および行き先表示はやめている。

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