「東京都」という枠組みは観光目線でよく見ると非常に奥が深く、超大都会のみならず、都心部から遠く離れた南の島も東京都に属している場所があるのも見どころであり、中でも一般人が行ける最も遠い究極的な“都内”と言われるのが小笠原だ。
文・写真:中山修一
取材協力:KANAKA-VILLAGE(カナカヴィレッジ)
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、小笠原の風景と同地にまつわる各種乗り物の写真があります)
■1,000km先の東京都
小笠原は東京都心部から南へ約1,000km進んだ先にある。一口に小笠原と言っても、父島、母島、兄島、弟島、姉島、妹島ほか、30+ほどの島々が織り成しており、一般的にはそれらを一括りにして「小笠原」と呼ぶことが多い。
人が住んでいるのは父島(人口約2,000人)・母島(約400人)の2島のみで、他はすべて無人島。小笠原へ行こうと考えて、通常まず向かう目的地は父島になる。
「小笠原諸島」という呼び方もあるが、こちらの場合は父島から約300km離れた硫黄島・約1,000km先の沖ノ鳥島まで含まれる。
■飛行機はあるの? 小笠原への行き方
そんな小笠原へ行くには、どんな種類の交通手段が選べるのか……最初に思い浮かべるのは恐らく遠距離移動の花形である飛行機かもしれない。
内地のどこか〜小笠原との間を結ぶ旅客向けの航空路があるかと問われれば、2026年現在のところ、一般向けの空の交通は一つもない。
同じ東京都の大島や八丈島と異なり、小笠原は最も遠く離れていながらも、飛行機では行けない場所となっている。
旅客機が全く飛んでいない事情があるせいか、時に「海外へ行くよりも遥かに難しい」と評されるのがこの小笠原であり、到達難易度の高さがミステリアスな魅力を高めているとも捉えられる。
ちなみに過去に空港建設案や、飛行艇による航路開拓などが検討されたことは幾度かあれど、全て失敗に終わったのだとか…。
■竹芝から24時間の船旅
飛行機がないとなれば離島への交通手段はただ一つ、船だ。古くから東京竹芝桟橋〜父島・二見港間を、小笠原海運による「おがさわら丸」が就航している。
2010年代の中頃まで、小笠原への物流を支える貨物船の「共勝丸」が条件付きで便乗サービスを実施しており、この船でも小笠原へ行けた時代があったが、現在の共勝丸は貨物専用で旅客輸送は一切行っていない。
そのため、現在は「おがさわら丸」が、旅客向けでは内地〜小笠原との間を繋ぐ唯一の交通手段となっている。
現在の「おがさわら丸」は2016年に就航した、全長150m・11,000トンクラス・882人乗りの三代目が活躍中で、竹芝〜小笠原間を航海速力23.8ノットで進み、所要時間は24時間。
船が1隻しかないため、毎日好きな時に乗船できるわけではなく、行って帰ってくる場合、通常期は船中往復2泊・現地3泊の5泊6日が1セットになる。
ハイシーズンをはじめ、一部イレギュラーダイヤで運航する際は、船中泊のみで現地滞在約4時間の、0泊2日の弾丸日程を組めないこともない。
船内にはいわゆる雑魚寝部屋から相部屋ベッド、鍵のかかる個室、専用テラス付きスイートルームまで各種等級が用意されており、時期にもよるが大体1人片道3万〜11万円くらいだ。







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