北九州市では日本新三大夜景都市として、皿倉山へケーブルカー・スロープカー運休日の火曜日限定でJR八幡駅から山頂展望台まで直行バスを運行する。運賃は無料ながら若干の障壁がある。その内容をみてみよう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■皿倉山直行バス概要
「日本新三大夜景都市」に2回連続で第1位に輝いた北九州市を代表する観光スポットである皿倉山は、美しい眺望や夜景を楽しめる場所として最近は認知が進んでいる。そしてこのたび、ケーブルカー・スロープカーが運休となる毎週火曜日でも市内外の観光客に皿倉山山頂からの眺めを楽しんでもらうために、JR八幡駅から山頂展望台へ向かう予約制の特別便を運行開始した。
運行はすでに開始していて、令和9年3月30日(火曜日)までの毎週火曜日だ。ただし、次の日程は火曜日であっても運休するので注意が必要である。令和8年8月11日、9月22日、11月3日。および令和9年2月16日、2月23日。
運行ルートはJR八幡駅と山頂展望台間で直行運行し、往復の便が設定される。定員は1便あたり10名である。これは北九州市営バスのハイエースで運行するため、乗車定員の都合上のことだろう。ダイヤは1日5便である。
なお、この特別便に乗車するには利用条件があり、これが評価の分かれるところだろう。これについては記者のオピニオンを交えて次項で詳細する。運賃は無料で予約制なので乗車を計画する場合には事前に予約を取る必要がある点も注意が必要だ。
■運賃は無料なのになぜ?
実はこの特別便に乗るための乗車賃は不要だ。ただし利用条件として、皿倉山山頂展望台お土産品コーナーで使用できる発売額3000円のクーポンを購入しなければならない。これが評価の分かれるところだ。
意図は簡単に理解できる。つまり運賃を無料にする代わりに、山頂で夜景を眺めながら消費をしてもらおうということだ。そのために「山頂で使用できる」となっているが、消費者からすると「山頂でしか使用できない」クーポン券を購入しなければならないということだ。
もちろん、山頂の売店で購入を希望する物品があれば何ら問題はない。あるいは消費行動をして観光に貢献するという考えであっても問題はないだろう。
ちなみに、この3000円で購入するクーポン券がプレミアムが付いていて実際には3500円分の使用ができるので、往復のケーブルカー等の運賃がかからず、かつ3000円で3500円分のクーポンが手に入るのはお得であることは間違いない。
■強制両替の外貨兌換券のよう?
しかし記者が本施策の概要を見て真っ先に思い浮かんだのは、外貨準備が不足している国が外貨を獲得するために海外からの旅行者に課していた自国通貨への強制両替だ。
当時の社会主義国や途上国では自国通貨は海外では価値がなく、自国で消費してもらうためと外貨を獲得する目的で、旅行者に持ってきた米ドルや日本円やドイツマルクやフランスフラン等の外貨を滞在1日当たり数百米ドル相当に換算して自国でしか使用できない自国通貨に強制両替させていた。
記者の目には3000円で購入するクーポン券はまさにこの外貨から強制両替させた外貨兌換券に思えてしまうのだが、お得でることは前述の通り間違いないにせよ考え過ぎだろうか。ちなみにケーブルカーとスロープカーの運行日に往復乗車した場合の運賃は通しチケットで1230円である。これが不要(無料)な代わりに3000円分の金券を購入しなければならないということである。



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