北九州市は西日本鉄道(西鉄)と包括連携協定を締結し、観光分野などでの連携を進めている。その中で、観光やビジネス等で北九州市に宿泊する方に対して、西鉄バス北九州協力の下で「探検・北九州!1-DAYパス」を期間・数量限定で発売する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■発売額は破格の500円ポッキリ!
この「探検・北九州!1-DAYパス」は、西鉄バスの北九州都市圏1日フリー乗車券と同様の効力で、市内宿泊者限定で特別価格500円(小児は250円)で発売する。
現在は同フリー乗車券はデジタルで800円、紙券で1000円なので、ズバリ半額と言ってもよい破格の設定だ。ただし、フリー乗車券と効力が同じということは、1日で北九州全域を回るには市内で乗降できる区間であっても、高速バスには乗車不可等の制限はあり力不足なので目的地を絞った移動になるだろう。
とはいえ、都市高速道路経由の路線バスは福岡市内ほどではないにしろ、多く走ってはいるので、うまく路線とダイヤをつなぎ合わせることができれば、相当お得な乗車券であることは間違いない。
■そもそも使ってもらう気はあるのか?
本パスの発売期間は2022年12月1日から2024年1月31日までの約2か月間である。発売額は前述したとおり大人500円だ。問題は発売個所で、北九州市内で4か所でしか発売されない。これで果たして使ってもらう気はあるのだろうか心配になるところだが、実際の想定をしてみる。
発売個所は、北九州市観光案内所(小倉駅・門司港駅・北九州空港の3か所)と西鉄黒崎バスセンター(定期券発売所)の計4か所である。西鉄が直接関係している場所での発売は黒崎バスセンターだけである。他は北九州市の観光案内所での対応だ。
■北九州空港で購入した後は?
航空機で北九州空港に到着した場合は、空港内の案内所で宿泊予約確認書等の証明をすれば購入できる。ところが、北九州空港から出るためには小倉行きか八幡行きの空港バスに乗るのがセオリーだが高速バス扱いなので、このパスでは乗車できない。
唯一使えるのはJR朽網駅行きの路線バスだけで、さらにバスを乗り継いで小倉市街地に行こうとすればとてつもなく時間がかかるばかりか、地元民でないとわからない乗り継ぎだ。
つまり北九州空港に到着した場合は、パスは購入できるがいきなり運賃が必要な西鉄バスに乗る羽目になる。なかなか渋い対応だ。せめてこういうことにならないように、エアポートバスくらいは乗せてもよかったのではないだろうか。
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