最近は路線バスにもラッピング車をよく見かけるようになった。施されているラッピングの図柄や色にも様々なテーマがある中で、その土地で親しまれた電車にリスペクトを寄せたものがある。
文・写真(特記以外):中山修一
取材協力:新潟交通観光バス株式会社
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、新潟交通かぼちゃ電車バスIIの写真があります)
■新潟県内を走ったローカル電車の思い出を路線バスに
トレインリスペクト系のラッピングで飾られた路線バスを、各地でたまに見かける機会があるかもしれない。新潟県にもその条件に当てはまる路線バス車両が日々活躍している。
ここで注目するのは、新潟県の下越地方を中心にバス網を広げる、新潟交通観光バスが保有する「かぼちゃ電車バスII」だ。
新潟県にはその昔、新潟市〜燕市の間を新潟交通電車線という私鉄の鉄道が結んでおり、路線の部分廃止を経て1999年まで営業を行っていた。
電車の車体の腰までと肩にあたる部分を深緑、胴回りを濃いめの黄色に塗り分けた、よく目立つ塗色が特徴となっていて、色合いの雰囲気から後に「かぼちゃ電車」の愛称でも知られるようになった。
新潟交通観光バスの「かぼちゃ電車バスII」は、その新潟交通電車線の車体色をイメージしたラッピングを車体に表現した、長さ10.5mクラスの大型路線車だ。
■新潟交通観光バスの「かぼちゃ電車バスII」
かぼちゃ電車バスIIの車種は、2006年12月製造の日野ブルーリボンII。型式にPJ-KV234N1が割り振られた、ノンステップ・ホイールベース5.3m(全長10.925m)のタイプとなっている。
今日の代表的な路線車の一つである、いすゞエルガと外見やスペックがほぼ同じに変わった共通設計化後のブルーリボンで、ヘッドランプを縦並びに2つずつ配列した角目4灯ヘッドライトが大きな特徴。
共通設計のエルガ/ブルーリボンのうち、2005〜2007年まで新車が発売されていた、直列6気筒エンジンを標準搭載するようになった最初のバリエーションにあたる。
元々は名古屋市交通局が2006年度に新車で導入し、浄心営業所が受け持つ一般路線向けに従事。2024年に名古屋市バスの車としては引退した後に、新潟交通観光バスへと移ってきた。
移籍後すぐに「かぼちゃ電車バスII」のラッピングが施され2024年9月にデビュー。2026年7月現在も新潟交通観光バスの一般路線各線で活躍している。
末尾に“II”が付くように、他に初代かぼちゃ電車バスがあるのかと問われれば、初代に相当する車は新潟交通が保有しており、こちらは2014年式いすゞエルガが素体に使われている。
■あえてローマ字でIIと書くささやかな仕掛け
かぼちゃ電車バスIIでは、腰回りと肩を深緑、窓回りを濃いめの黄色に塗り分けた、新潟交通電車線を走った電車……とりわけ現在も旧月潟駅跡に手厚く保存されている象徴的な車両である、モハ10形11号のテイストを強めた車体デザインをラッピングで表現している。
車体側面の中心と前後にはレール断面とハンドルを組み合わせた新潟交通の社紋と、ちょうど電車の前面・社紋下の車体番号表示に相当する部分に“II”の文字が白色で飾られ、全体像をよりシャープに見せている。
そのほかラッピングでバス窓風の表現にアレンジしている側面窓もまた、モハ11号がそうであるように、古い時代の電車の郷愁を誘うステキな遊び心だ。
また、かぼちゃ電車「2」ではなく、「II」と書くのにはちょっとした仕掛けがあり、ラッピングのモチーフにしている旧月潟駅跡の保存車がモハ「11」号ということで、それに合わせてバスのほうも時に11と読めるローマ数字で表記しているそうだ。
メリハリの効いた色合いにより遠目からも非常に良く目立つスタイルとなっており、その強いアピール力が大型路線車ブルーリボンIIに更なるプレミアム要素を持たせた同車の特徴と言える。









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