フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、ある暑い夏の日に起こった大遅延のお話だ。全体的にダイヤが乱れた。説明することが難し状況で運転士や事業者がどのような対応をしたのかをお話しする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ダイヤの概要
ある暑い夏の日だ。日本では酷暑だ猛暑だとニュースが伝えていた日のことだ。記者は芝浦港南ルートのトップバッターとして701ダイヤを仰せつかった。このダイヤはまず車両で出庫して田町駅と品川駅を2往復して田町で次の運転士に引き渡して休憩。
休憩後に田町から車両を引き継いで、品川、田町、竹芝桟橋入口、田町と戻り交代運転士に車両を引き渡して2度目の休憩に入る。
最後の行路は田町で車両を引き継いで、田町・品川間を2往復して田町駅で終了する。駅からは徒歩回送で営業所に戻る仕業だ。
■大方の予想は…
出庫前に同寮運転士と話していた限りでは、さすがに猛暑日なので出歩く人も多くはなく、学生も夏休みなので通学需要が減るので全体としてはそう混雑はしないだろうとの結論だった。
そしてトップバッターとして静かに営業所を後にして田町駅に回送した。平日朝の便はそうはいってもそれなりに人が乗る。よって田町駅である程度の行列があるのは予想していた。田町・品川往復はそもそも遅れるものだ。
乗客には申し訳ないがバスは遅れるものだ。それでも田町駅で10分の折り返し時間があるので、品川に行って遅れて戻ってきても10分以内であれば定時発車ができる。仮に2周目の遅れも10分以内で戻ってこられれば、交代運転士にそれほど迷惑を掛けなくて済む。
■遅延が遅延を呼ぶ2周回
まずは1周目。品川駅までですでに10分程度は遅れている。戻りのルートでさらに人が増えていき乗降に時間がかかる。するとさらに遅れる。しかしこれだけならば1分以内の遅延で済む。問題は信号である。普段であれば引っかからない信号で止められてしまうのだ。すると遅れは最大で3分程度拡大する。
こうなると多少の余裕時分がある停留所間をキビキビ走っても取り戻すのは無理だ。しかも立席パンパンで積み残し寸前の乗客がいるので、キビキビ走るといってもラフな走りはできないばかりか、むしろソロソロ走らないと転倒事故になってしまう。
もうフロントガラス目前まで乗客が立っているのでは普通のブレーキも踏めない。ドアも目の前の乗客に声をかけてからでないと開けられない。こういう細かいところでさらに遅延が拡大してしまう。2周を終えて田町駅に戻ってきたときには26分の遅れで引き渡した。
■竹芝桟橋まで行く便は遅延しても定刻になる
一方で、次の竹芝桟橋入口までフルで走る便は、相当に余裕を持ったダイヤになっているので、17分程度の遅れまでは田町駅に着くころには定刻に戻る。しかも田町駅から竹芝桟橋入口までは乗客が少ない区間かつ海岸通りという3車線道路を走るので、普通に走るだけでどんどん遅れが取り戻せる。
この日は遅延による乗客の偏り等が原因だとは思うが、芝浦港南ルートのダイヤは乱れに乱れていた。竹芝桟橋入口発着の便は定刻で走っているのに、田町・品川間の区間便は遅延しまくっていた。よって20分ヘッドで走る同ルートでは、20分以上の遅延があると走る便の順序が入れ替わっていることすらあるのだ。
無線で位置関係をやり取りすることはできるが、全体像としてどうなっているのかは運転している等の運転士には分からない。遅延便だけがパンパンになっていくのだ。




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