旅行中2回目以降に訪れた場所に降り立ったとき、様子がガラリと変わっていることがある。しかもそれが、前回来た時との間があまり開いていないと驚きも一入だ。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、2度目に景色が変わっていた場所の写真があります)
■香川県・東かがわ市の引田駅
四国・香川県の高松の中心地から路線バスで1時間半くらい東方向へ進んだ先に、東かがわ市の引田(ひけた)という歴史情緒豊かな街がある。
高速道路を通らない普通の路線バスで香川県〜徳島県の間を移動する場合、この引田が重要なバスの乗り換え地点になっている。
バスの時刻によっては長めの乗り換え時間があり、簡単に周辺を散策する余裕ができる。バス電車ほか公共交通機関に興味関心のある向きとしてなら、バス停周辺で特に目立つのが、すぐ近くにあるJR高徳線の引田駅だ。
鉄道の経路換算で、高松から45.1km、徳島から29.4kmの地点に引田駅が置かれている。高松〜徳島間を約1時間で結ぶ特急「うずしお」が停車するほか、高松方面へ向かう普通列車の多くがここ引田を始発にしている。
■あれ、前もこんなだったっけ?
これまで引田には路線バスを足代わりに2度訪問していて、最初が2024年7月、次は2026年7月と、だいたい丸2年の開きがあった。
先日2回目に引田でバスを降り、近くの引田駅方向に目をやると、「あれ、前こんなだったっけ?」と、初めてではないのに来たことのない場所の景色を眺めているような感覚に陥った。
記憶と明らかな違いを見せたのが引田駅の駅舎。大きな切妻屋根を乗せ、鉄骨を剥き出しにして開放感を演出した、豪華なデザイナーズ系の待合所が建っていた。
他の場所と混同していて前回もこの建物だったのか……いや違うハズ、ここ2年前に来た時は戦前規格型の木造駅舎だったような? そんな押し問答を一人で静かにしばらく繰り広げた次第。
■後で写真を掘り返してみると……
その後、自宅に戻って2年前の写真フォルダーを漁ってみたところ、引田駅の写真が出てきた。そこに写っていたのは間違いなく木造駅舎だった。
となれば、わずか2年の間に駅舎が建て替えらえた、ということになる。2度目の訪問が初回から10年・15年後なら「そういうこともあるよね」と流せる反面、間が2年しか開いていないと、風景の激変ぶりが一層強調されたように思えて、なんとも驚かされてしまった。
この2年のうちに引田駅に何が起こっていたのか、ちょっと気になったので簡単にプロファイルを確認してみた。
■引田駅新旧駅舎のプロファイル
引田駅は1928年、高徳線の讃岐津田〜引田間の開通と共に開業。この時に建てられた木造駅舎が、お化粧直しを繰り返しながら令和の時代に至るまで使われ続けていた。
2022年3月に無人駅となり、その後は老朽化を理由に2024年9月に駅舎を解体。2025年3月に現在の新しい駅舎が完成している。合わせて駅の一部付帯設備も刷新された。
以前からあり今も変わっていないと思われる、電話ボックスと郵便ポスト、白く塗られたあのポストの位置から判断すると、木造駅舎時代よりも駅前広場に少しせり出すようにして新駅舎が建てられているようだ。
駅舎の正面から向かって右側が待合所、左側が多機能トイレで、待合所9平方メートル・トイレ24平方メートルと、トイレのほうが広く取られている。
建て替え計画当初、JR四国ではトイレの設置は考えていなかったそうで、観光など利用者の不便にならないよう、東かがわ市が建設費用の3/4ほどを負担し、トイレつきの駅舎(待合所)になった経緯がある。トイレの管理・整備は市が行っているとのこと。








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