大都市・名古屋だけじゃない!! 愛知県を走る大手事業者の方向幕【特集・方向幕の世界】

大都市・名古屋だけじゃない!! 愛知県を走る大手事業者の方向幕【特集・方向幕の世界】

 愛知県内で大きなバス事業者は大きく分けて名古屋市交通局と名古屋鉄道系列の2つに分けられる。今回は県内大手バス事業者の方向幕の特徴を解析する。

文/写真:高木純一(バスマガジンvol.91より)

【画像ギャラリー】強すぎるクセが病み付き!! 愛知県を走る大手事業者の方向幕


角文字を採用しており文字がスタイリッシュに見える、名古屋市交通局

名古屋市営バスの方向幕のコマ並びを見ていただけば、いかにカラフルかがおわかりいただけると思う
名古屋市営バスの方向幕のコマ並びを見ていただけば、いかにカラフルかがおわかりいただけると思う

 中部地方で唯一の交通局である名古屋市営バスの方向幕には、特徴的な要素が多い。前面方向幕は最終期近くまで系統番号と分割だった。しかも系統番号幕表示機は最後まで手動式(手で巻く)だったのはほかに例がない。

 前面行先は経由と行き先だが文字が中央に寄っているのが特徴だ。側面幕と後面幕は相互表示で連動している。早くから角文字を採用しており、文字がスタイリッシュに見える。

 1990年代後半にターミナル別のカラー幕を採用し、これまで幹線バスは青コマ、経由違いコマは茶色、急行コマはオレンジとい色分けに加え、名古屋駅発着路線は緑、栄発着路線はピンク、金山発着路線は黒のベタ印刷コマに変わった。また深夜バスコマも登場し黄色ベタになった。

 表示機は三浦式と呼ばれるご当地のメーカーで、ほかに採用している事業者を見たことが無い。2000年導入車から前面方向幕が系統番号と一体型になり、印象が変わった。なお同局が運営受託している名古屋ガイドウェイバスの方向幕は、同局の仕様に合わせて作ったものだが、表示機は三浦式ではなく東洋ライト工業製のものであった。

全コマ黒ベタ幕がシブイ!! 名古屋鉄道バス(名鉄バス)

名鉄バスの方向幕は早くから黒幕を採用。この幕は2:1:2型で、東洋ライト工業製の穴検知式幕だ
名鉄バスの方向幕は早くから黒幕を採用。この幕は2:1:2型で、東洋ライト工業製の穴検知式幕だ

 名鉄バスの方向幕は早い時期に全コマ黒ベタ幕になり、それまでのレイアウトのまま黒幕に変わった感じだ。当初は2:1:2方式という側面幕1コマに対して、前面後面の往復という特殊な設定方式を取っていた。

 そのため回送など1コマしか設定の無いコマは往面は回送、複面は何も書かれていない黒ベタコマというコマ順になっており、前面のコマ番号印字は2コマに1個書かれて、必ず倍数での表示であった。

 また名鉄グループのバスのほぼ全社に共通して表示機は東洋ライト工業製、幕も同社印刷の幕を採用しているが各社に違いがあり、名鉄バスは前面経由地に仕切り線が書かれている。深夜バスがピンク色になっていることは、黒ベタ幕の中で異彩を放つ存在だ。

次ページは : 横書き、縦書きが混在するレイアウトの知多乗合自動車(知多バス)

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。