空港内を循環するターミナル間連絡バスたち

羽田空港では系統によって車両デザインが異なる

羽田空港のターミナル間連絡バスは誤乗防止のため、車体に大きく経路が表示されている
羽田空港のターミナル間連絡バスは誤乗防止のため、車体に大きく経路が表示されている

 羽田空港では、おもに日本航空国内線が発着するターミナル1、おもにANA国内線が発着するターミナル2、そして国際線ターミナルとあり、3つのターミナルを循環する路線と、国内線のふたつのターミナルを循環する路線の2系統がある。

 2018年初頭に運行していたのは京急系列の羽田京急バスで、ふたつの系統はそれぞれ異なるデザインの車両で運行し、国内線ターミナル間はホワイト基調、国際線ターミナルがらみはグリーン基調のデザインだ。ただし、車両運用の都合などで、大田区などの一般路線を運行する、いわゆる京浜急行バスデザインの車両が駆り出されることもある。

 羽田空港の国内線ターミナルエリアと、国際線ターミナルは滑走路を挟んで反対側に位置するため、国際線ターミナルへは、滑走路の下を長いトンネルで抜け、無料バスとはいえ長い距離の乗車となり、バスは高速で突っ走る。

関西空港では連接バス導入

日本でも実例が多くなった連接バスは関西空港内でも活躍する
日本でも実例が多くなった連接バスは関西空港内でも活躍する

 関西空港にはターミナル1とターミナル2があり、この間に連絡バスを運行している。成田空港のターミナル3同様に、関西空港のターミナル2も後になってできたLCC専用ターミナルで、ここも鉄道ではアクセスできない。

 ターミナルとターミナルを結ぶというよりも、駅とターミナルを結んでいる感じである。利用者も、ほとんどがターミナル1とターミナル2の間を乗り換えで利用するのではなく、駅からターミナル2への利用者と空港勤務者である。

 しかし、LCC利用者は年々増えていて、運行する南海バスでは、2017年から定員100名のドイツ製連接バスも導入している。南海バスはこの関西空港内での路線に専用デザインは採用しておらず、大阪南部、堺市などを運行する路線バスと同じデザインの車両である。

 冒頭に述べた神戸空港の特殊な例というのは、神戸空港にターミナルが複数あるのではなく、旅客ターミナルと高速船乗場を結ぶ無料循環バスがあり、神姫バスが運行している。ただしこの間は徒歩でもすぐの距離だ。

 同様に関西空港でもターミナル1と高速船乗場の間に無料連絡バスがあるほか、ターミナル1と展望ホールの間にも無料連絡バスがある。関西空港内の路線はいずれも南海バスが運行する。

 当時の成田空港では、京成系列の成田空港交通が運行するのに対し、関西空港では、系列の関西空港交通ではなく、南海バス本体が運行しているという違いもある。

一般車が通れない道路を運行する福岡空港

福岡空港のターミナル間連絡バスは西鉄系列の西鉄バス二日市が運行
福岡空港のターミナル間連絡バスは西鉄系列の西鉄バス二日市が運行

 福岡空港には国内線ターミナルと国際線ターミナルがあり、この間を連絡バスが結んでいる。両ターミナルは滑走路を挟んで反対側にあるが、羽田のようなトンネルはない代わりに、一般車の通れない空港内の道路を行き来する。

 しかし、そのため空港内敷地に出入りする際に厳重なゲートの開閉があり、渋滞などがないものの時間を要する。一般に「福岡空港は地下鉄が乗り入れる便利な空港」と評されるが、国際線ターミナルに関してはあまり便利ではない。運行するのは西鉄系列の西鉄バス二日市で、専用デザイン車が使われている。

連絡バスが唯一のアクセス方法になる那覇空港LCCターミナル

那覇空港のターミナル間連絡バスは那覇バスが運行
那覇空港のターミナル間連絡バスは那覇バスが運行

 2018年初頭の那覇空港は国内線ターミナル、国際線ターミナル、LCCターミナルとあり、国内線ターミナル~国際線ターミナル間と、国内線ターミナル~LCCターミナル間を連絡バスが運行する。

 そして、国内線・国際線両ターミナル間は歩いてすぐなので、バス利用者は少ない。いっぽう、LCCターミナルは制限区域内にあるため、連絡バスが唯一のアクセス手段となる。LCCターミナルは一般人の立ち入りができない制限区域内にあるので、自家用車はもちろん、タクシーや路線バスさえも立ち入れないエリアにあり、立ち入れるのはこの連絡バスと、一部のレンタカー会社の車だけとなる。

 そのため、連絡バスは重要な役わりとなるが、近年LCC利用者が増えていて、連絡バスはピストン輸送するものの混雑が問題となっている。運行は那覇バスが行っている。

【画像ギャラリー】空港ターミナルバスには路線車からの転用や連接バスもある!!

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