ほぼ1本道の経路
路線バスの中でも、どんぐりバス根羽線の経路は至ってシンプル。長野県まで続く国道153号線を、ほぼ道なりに進んでいく。
山深い場所に作られた道路であるため高低差が200mほどあり、バスに乗っている最中もアップダウンの様子がまじまじと伝わる。最も高い場所で標高670mくらいだ。
山をひとつ越えて平坦な区間に出ると、川に沿って国道が続く。左右どちらを眺めても山に囲まれ、一面の紅葉混じりな緑が車窓に広がる。
10kmほど進むと、1997年に竣工した長さ888mの大野瀬トンネルが見えてくる。バスはこのトンネルを通らず、脇道にそれてトンネルを迂回する形で矢作川沿いを進んでいく。
トンネルを直進すると、バス停が置かれた途中の集落にアプローチし辛くなる関係かもしれない。
トンネルの出口から150m程度先の交差点で再び国道153号線に戻る。さらに約1km進むと、いよいよ愛知県と長野県の県境だ。進行方向左側に長野県を示す標識が立ててあり、県境を越える瞬間をビジュアルで実感できる。
県境の付近に民家はなく、バス停も設置されていない。県境から最も近いバス停が愛知県側で約1.5km、長野県側で約850m離れている。
県境を越えて約5分。矢作川沿いをカーブしながら、12:46にバスは終点の根羽バス停に到着。運賃を支払い前の扉から下車する。
運賃は200円。距離にすると16km以上ある長めの路線にしては超低価格である。コミュニティバスならではの運賃体系と言える。
この日、途中のバス停で乗車した他の利用者はゼロであった。
行きはよいよい……
根羽バス停の置かれた根羽村の周辺には、商店や飲食店が営業しているほか公衆トイレも設置されており、やることの有無はともかくとして滞在中に困ることはそれほどなさそうだ。
終点の根羽バス停に降り立って、乗ってきたバスの折り返し便で戻る場合の滞在時間は3分。それを見送ると次の便は18:30出発だ。
実はこの根羽からまた別のコミュニティバスが出ており、うまく乗り継ぐと最終的にJR飯田線の飯田駅まで到達可能だ。来た道を戻るか、その先へ進むかは心持ち次第!?
【バス路線の基本データ】
どんぐりバス どんぐりの湯前 → 根羽行き
・跨ぐ県:愛知県→長野県
・移動距離:約16.5km
・所要時間:28分
・運賃:200円
・停留所の数:23
・長野県内の区間距離:約2.6km
・長野県内の停留所の数:5
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