川沿いを走る風光明媚な路線
江の川に沿って敷かれた国道261号線が江津川本線のメインルートとなる。基本的には進行方向右側に江の川を絡めた景色が広がる。
JR三江線の線路は、国道とは川を挟んだ反対側に敷かれていた。廃線が比較的最近のためか、それほど片付けられていない様子で、あちこちに線路跡やガーダー橋などが残っており、バスの車窓からもよく観察できる。
時々バスが橋を渡り、線路が敷かれていた対岸まで移動することがある。さすが鉄道代替バスというだけあって、元々駅があった場所に立ち寄る経路になっているのだ。
それなりに大きめの駅跡には駅舎が現役当時と変わらない様子で建っており、立入はできないがホームもそのままにバスの停留所として機能している。
途中の停留所で乗客が一人また一人と降りていき、江津駅前から16kmくらい進んだ川戸に到着する頃には、とうとう誰もいなくなった。
川戸では時間調整とトイレ休憩を兼ねて数分間停車するようで、運転手さんは何も言わず率先して駅跡併設のお手洗いへ向かっていった。
バスはメインルートと対岸の駅跡立ち寄りを繰り返しながら順調に進んでいく。幅が広く、山々の間を縫うようにして流れる曲がりくねった江の川は眺めていて飽きがこない。
バス利用だと見てるだけ? 魅惑の2大施設
江津駅前から28km地点に、最近すっかりメジャーどころに昇格した、うどんとラーメンのレトロ自販機が置かれたコインレストランが営業している。
約1km離れた「鹿賀」がコインレストランの最寄りバス停だ。ちょっと立ち寄ってズルズルやってきたいところであるが、バスの本数が少ないのと、目的地の石見川本まで約7kmと、歩くには微妙に遠い(おまけに極寒)。
目の前を通過するもののバスで乗り付けての利用は工夫が要りそうだ。
さらに数km先には道の駅があり、こちらも大変魅力を感じる施設である。ただし今回は諦めるしかない。道の駅から石見川本まで約4kmなので、もう少し暖かい時期なら寄れるかも……。
以前と変わらない様子の終点
江津駅前を発って1時間8分、13:42にバスは石見川本に到着した。元々鉄道駅があった石見川本駅跡がそのままバス停に使われている。江津からの運賃は1,120円、現金で支払って前のドアから下車する。
石見川本の駅舎は鉄道時代から殆ど変わらないようで、駅舎を前から見て左側に銀行が入り、右側がバスの待合所になっている。跨線橋が撤去された以外は鉄道のホームやレールも残されていて郷愁を感じさせる。
石見交通 江津川本線はここで終了。とはいえ三江線代替バスとしてはまだ全体の1/3程度しか進んでおらず、ここから最深部へと入り込みクリア条件が厳しくなってくる。次の大和観光バス川本美郷線の便が来るまで約2時間28分のフリータイムだ。
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