エルガに4時間半乗車だと!?三交南紀の「松阪熊野線」が強烈すぎた!!

■さぁ4時間半のエルガ旅スタートだ!

整理券番号1番でスタート!
整理券番号1番でスタート!

 発車時刻となり、松阪中央病院を出発した。もしかしたら病院に通院している人が南部方面へ移動するのに多く利用するのではと思っていたのだが、この便には筆者1人だけという少し寂しい乗車率であった。このあとバスは松阪駅を目指し、多気、大台方面へと走行する。

 筆者は車内後部に座ったがハイバックシートという性質上、意外と座っている人の姿は確認しにくく路線バスでありながらある程度のプライバシー空間が保たれている印象を受けた。

 駅前通りを東へと向かい、再び松阪駅前バス停に戻ってきた。ここでは数名の乗車があり、いよいよ本格的に熊野へと向かうバス旅がスタートした。終点の三交南紀までは4時間ちょっとの乗車である。まずは松阪市内を国道166号線かを走り、奈良への分岐点からは県道160号線を経て国道42号線へと入る。

 周りは田園風景となりすっかり変わったのどかな景色が車窓から見ることができる。昔の三重電気鉄道松阪線射和駅跡である射和(いざわ)バス停を過ぎると櫛田川を渡り多気町へ入る。

■松阪市を出てVISONへ!

ハイバックシートにUSBポートとドリンクホルダーとコンビニフック付き!
ハイバックシートにUSBポートとドリンクホルダーとコンビニフック付き!

 しばらく走行するとバスはVISONバス停に到着し、松阪駅前バス停からの乗客のほとんどがここで降りていった。VISON(ヴィソン)は多気町に2021年オープンした商業リゾート施設である。

 東京ドーム24個分という広大な敷地に販売店、産直市場、飲食店、ホテルや温浴施設などが建ち、県内でも話題の施設となっている。このバス停には県内各地はもとより、三重交通の夜行バスも停車することから首都圏からの来訪も可能である。この時間にも観光バスで訪れた観光客の姿を見ることができた。

■路線バスなのに降車休憩がある!?

路線バスに降車休憩は珍しい
路線バスに降車休憩は珍しい

 再び国道42号線へ戻ったバスは30分ほど走行し、道の駅奥伊勢おおだいへ到着した。路線バスだが長時間運転なので、松阪熊野線は途中2箇所の休憩場所が設けられており約15分停車する。

 通常は途中でバスを降りたりすることはないが、休憩なので降車が可能だ。道の駅なのでトイレ休憩のほか、施設内の売店で地元の産直品なども購入できる。ただこの日は到着時点で10分ほど遅れていたので、ここでは休憩時間を短縮し定刻発車した。

 休憩場所の道の駅奥伊勢おおだいを出たバスは多気町から大台町、大紀町を抜け紀北町へと向かう。新緑の山間部を順調に走行していくが、乗客は先程の休憩場所近くで乗降があったものの、ずっと乗車しているのは筆者だけである。急坂である荷坂峠を下りていくと紀伊長島の町並みと海が見えてきた。

 ここからは左手に海を見ながらの走行となる。再び町並みのあるところまで来たので乗ってくる人がいるのではと思ったが、バス停に人の姿もなくどんどんとバス停を通過していく。紀北町へ入ると次の休憩場所が近くなってくる。

■海山バスセンターで2回目の休憩

上下線のバスが海山バスセンターで交換するがナンバーが続きだった!
上下線のバスが海山バスセンターで交換するがナンバーが続きだった!

 2ヶ所目の休憩場所は海山バスセンターである。定刻より約5分遅れでの到着だった。ここも降車休憩なので扉が開放される。外へ出ると熊野市からやってきた上り松阪駅前行きのバスが隣に停車したので撮影タイムになった。

 周りは山に囲まれて海側だけ空が大きく広がっていて、その名の通り海山という感じである。バスセンターという名前がついているものの、バスの駐車場のような感じで舗装もされていないので目ぼしいものは何もない。

 建物は新しいようでトイレや待合室、切符の販売窓口は設置されていて、松阪熊野線のほか東京・さいたま方面へ行く夜行バス、紀北町のコミュニティバスへ乗り換えが可能だ。利用者用の駐車場もあるので、パーク&ライドで夜行バスを利用して東京などへ行っている間は駐車可能だ。

 休憩を終えるとバスは熊野市へ向けて出発した。ここから終点まであと1時間少しである。三重県南部を進むバスであるが海を見ながら走るというよりも内陸を走っている感じで、いくつか峠を越えたりトンネル区間が続いたりといった風景が広がる。

 車内にも「この先カーブが続きますのでご注意ください」というアナウンスが何度が流れたる。当然そのような地区にはバス停がないので、次のバス停まで10分以上走り続けるという区間もあり、路線バスというより都市間バスに乗っているような感覚である。バスは尾鷲市を走り熊野古道センターを抜けていよいよ終点のある熊野市へと入った。

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