■“できたて”の既存路線
根室線が廃止になった翌月の2024年5月に、ダイヤ改正で新しくなったノースライナーの様子を窺いに行ってみた。
バス乗り場にやってきたのは、黄色いボディカラーがよく目立つ十勝バスのハイデッカー高速車で、車種は日野セレガ。
ピカピカに輝くボディの目新しさから、新車か? と思ったらやはり2024年に入ったばかりの新しいクルマだった。
車内に上がると、トイレ付きで前寄り3列・後ろ寄り4列の、いずれもシートピッチの広い、ゆったりとした居住空間を確保した豪華な設備に驚いた。最近は昼行都市間バスでもこんな凄いの来るのか……。
■これ高速バスだったの?
バスの経路は以前と変わっていないようで、旭川駅前のバスターミナルを出ると、旭川空港、美瑛、富良野、道の駅ふらの(幾寅)、落合、狩勝峠を経由して新得、帯広に至る。
旭川空港は乗車のみ(帯広発の場合は降車のみ)の扱いであるため、旭川〜旭川空港間の空港連絡バスの機能は持っていない。
ところでこのノースライナー、富良野を出て少し経つと大きく方向を変え、何やら緑色の標識が立っている道路へとコマを進める。
ごく短い距離ながらも、「これ高速バスだったの!?」と、ひるんでしまった。しかしよくよく確認してみると、ノースライナーが通る緑色の標識がある道は「富良野道路(旭川十勝道路)」と呼ばれるもの。
富良野道路は国道38号線のバイパス扱いであるのと、高速道路ナンバリングの「E」が付かないので、いわゆる高速の枠組みには含まれない(ハズ)。
そのため、ノースライナーはあくまで高速道路を通らない都市間バスの範疇に収まっていると見て良さそうだ。
また、ノースライナーは「シーニックバイウェイ(秀逸な道)」と呼ばれる道を含め、非常に景色の良い場所を通るバスでもある。
色彩鮮やかな丘陵が続く美瑛・富良野周辺や、JR代行バスも経路に使っていた狩勝峠の頂上に達した瞬間に広がる大パノラマにはついつい目を奪われる。
■サービス特盛な乗り物
旭川→帯広を通しで利用すると、移動距離およそ184km、所要時間4時間10分のそこそこ長めなバス旅になる。
しかしながら、利用当日は最新のハイデッカー車両が入ったのもあったせいか、長すぎると感じることも殆どなく、疲れ知らずな快適さだった。※個人の感想です
心理面でも安心なトイレ付き、かつ広いシート周りと大きな窓、滑らかな乗り味に加えて、(ちょっと遅いけど)フリーWi-Fiや個別のUSB電源まで用意されているとなればスペックは十分。
ノースライナーに何よりも驚かされるのが運賃。ここまでやってくれてホントに3,600円でいいの? と恐縮してしまうほどで、代替バスの中でもサービス面にかけては特盛中の特盛と言えそうだ。
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