F1世界選手権は国際自動車連盟が主催する自動車レースの最高峰であり、世界中にファンをもつ人気競技である。春から秋にかけて世界中を転戦しており日本にはここ2年、それまでの秋開催から春開催へと変更となっている。春に再びやってきたF1と、その観客を輸送し続けたバスについて三重交通の波動輸送の様子をお届けする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■F1日本グランプリの概要
今年のF1日本グランプリについておさらいしたい。2025年4月4日~6日にかけて開催され、期間中の来場者はおよそ26万6000人だ。昨年比で3万7000人、率にして16%余りの増加となった。これは鈴鹿でF1が再開された2009年以降で最多である。
レースは決勝日である6日の日曜日は午前中に降雨だったが午後には上がり、ドライコンディションでレースがスタートした。53周のレースはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾った。2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続き、日本人ドライバーとして参戦している角田裕毅(レッドブル)は12位フィニッシュとなった。
なおこのレースウィークに入る直前、それまで前身のアルファタウリ時代から在籍していたレーシングブルズからレッドブルというトップチームへの移籍が発表された影響もあり、急激にチケットの販売が伸びたことが来場者大幅増加の要因といえる。
■あかりちゃんも登場?
さて筆者は予選日の4月5日土曜日に近鉄の白子駅へ向かった。到着したのは朝6時で、ちょうど駅前の交通規制が始まる時間である。駅を降りるとロータリーの屋根下にはドライバーの顔が描かれたフラッグがずらりと並び「Welcome to SUZUKA」という巨大な看板がお出迎えしていた。
また今回はタクシー乗り場近くの案内看板に三重交通の案内も掲示されていて、そこには三重交通の公式キャラクターである「神都あかり」と「鈴鹿翔琉」のスタンディが並べて置かれていた。少しは認知度が上がったのであろうか。
■三重交通の本気?
ロータリーから駅前商店街に目を向けると早くも鈴鹿サーキットへ向かう観戦客の姿が確認できる。最初に見つけたバスは中型路線車のいすゞエルガミオ3022号車で、中勢営業所所属の2012年式である。最近ラッピングが更新され両側面で内容が異なる。
扉側は三重交通の公式キャラクターである「神都あかり」と「鈴鹿翔琉」どちらかが、車両後部には2人のイラストがラッピングされている。後部のラインが青の場合は「鈴鹿翔琉」、ピンクの場合は「神都あかり」のようだ。並んで停車していたのは高速車のいすゞガーラで、四日市営業所所属。「EXPRESS」の表示は都市間高速バスとして運用が主戦場だ。
この2台だけ見ても中勢に四日市と各地の営業所から応援に入っていることが分かる。週末はより多くの観戦客を鈴鹿サーキットへ輸送するために、県内各地の営業所からバスが集結してくる。三重交通の風景としては年末年始の神宮輸送やイベントでの臨時輸送などで見慣れた風景だが、乗り場に何台も並ぶ光景はあまりなく、SNSで「三重交通の本気」として取り上げられる。
コメント
コメントの使い方