試される「三重交通の本気」の結果は? 鈴鹿F1波動輸送最新レポート!

■よく考えられた待機列のさばき方

まだまだ本気ではない?
まだまだ本気ではない?

 乗り場を見ていると今年は観戦客の来場が早いように思えた。前回の白子駅はもう少し出足は鈍かったように感じたが、7時前でも臨時乗り場になっている商店街の先の駅前交差点の辺りまで待機列が伸びていた。それに対してバスが追いついていないようで、待機列だけが伸びる時間帯もあった。

待機列を同時発車でさばいていく!
待機列を同時発車でさばいていく!

 この時間帯は高速車よりも多く乗車できる路線車が多く配車されているように見えた。ただしそう感じただけで、細かく配車を考慮しているのか、たまたまそうだったのかは分からない。とはいえ、ここでの待ち時間を短くするべく列を誘導していることは事実だ。

エルガトップドア車の短距離高速用まで!
エルガトップドア車の短距離高速用まで!

 毎回のことだが、バスへの案内について再度確認していこう。まず待機列が短い場合はそのままアーケードの先まで列を誘導して到着したバスに乗車させ、いっぱいになれば出発だ。列が長くなると、先頭から係員が1人ずつカウンターで人数を数え、定員に達するとプラカードを持った係員が間に入る。

貸切車がくればあとはグループ会社の応援を待つばかり?
貸切車がくればあとはグループ会社の応援を待つばかり?

 バスが何台か停車しているので、2~3台に一気に乗車させ同時に発車させる。これで200名以上がいなくなるので、次の列をアーケードの先頭にもってくる等よく考えられている。なぜ専用ターミナルがあるにもかかわらず万博でこれができなのかが不思議だ。

どのバスに当たるのかは運しだい?
どのバスに当たるのかは運しだい?

■ようやく勢ぞろいか?

各営業所から続々と集まり始める!
各営業所から続々と集まり始める!

 8時ごろになると乗り場にやってくるバスの台数も増えてきた。ある程度バスの台数が揃わないと一気にさばくことができず、待機列だけが伸びる状態であったが、やっとスムーズに輸送できる体制になってきた。この時間になるとバスのバリエーションも多様で路線バスタイプの車両、特定輸送に使用されているニューエアロスター、観光バスタイプのエアロバス、所属も遠い伊勢や志摩など普段はなかなか見ることのできないバスがずらっと並ぶ。

名阪近鉄から援軍が到着!
名阪近鉄から援軍が到着!

 そして観戦客を乗せて同時出発していく。商店街を利用した臨時乗り場には7~8台が並ぶが、これは壮観である。各種入り混じった並びが、まさに空いている車両を全部持ってきたように見えることから「三重交通の本気」というワードが生まれたのかもしれない。

鈴なりにバスが曲がって到着するのは巨大バスターミナルさながら?
鈴なりにバスが曲がって到着するのは巨大バスターミナルさながら?

 しばらく待機列の動きを見た後に白子駅前の交差点に移動した。次々とやってくるバスが巨大ターミナルへ吸い込まれていくようで圧巻だ。駅前には通常の路線バスや東京からの夜行バスが到着するが、降車してそのまま鈴鹿サーキット行きのバスに乗る列に向かう人も多い。この時間は高速車も多く、一見すると大団体の観光バスも並ぶ巨大バスターミナルと思えるような光景だ。

長距離夜行バスが到着すると多くの乗客が三重交通の乗り場に向かう!
長距離夜行バスが到着すると多くの乗客が三重交通の乗り場に向かう!

■さらなるアップデートに期待!

計画通り?の新塗色貸切車の隊列!
計画通り?の新塗色貸切車の隊列!

 今回はF1日本グランプリの白子駅から鈴鹿サーキットへ向かうシャトルバスの観測を中心にお届けした。昨年と流れは一見同じように見えたが、白子駅での出足が早く、多いように感じたのが印象的だった。それにバスの配車が追いついていないようで、バスの台数が増えてきた8時より前にはバスがいなくなってしまうタイミングもあった。三重交通はこうして知見を蓄えてアップデートをしているのだろう。

タクシーまで三重交通グループ?
タクシーまで三重交通グループ?

 また冒頭にも書いたが期間中の来場者が3万7000人増ということで、特に帰りの白子駅行きシャトルバスはかなりの行列になったようだ。土曜日で約70~90分、日曜日はバスに乗車できるまで2時間以上待つという状態だったようで、バスでの移動を諦めて徒歩で近鉄平田町駅へ向かう人もいたようだった。ちなみにこのルートだと徒歩30分ほどなのでシャトルバスを待つより早く帰宅することができたようだ。

三重交通の本気を刮目せよ!
三重交通の本気を刮目せよ!

 また名古屋へ向かうF1観戦ツアーバス・サーキットEXPRESS号は4時間ほどかかり、伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅からの列車も混雑が激しい中で様々なルートで家路を目指すことになったようだ。フリー走行の金曜日や予選の土曜日と比べると決勝の日曜日はレースが終わると帰る観客が一気に押し寄せるのでどうしても渋滞・混雑が発生する。

マニアの好みは高速車か?路線車か?
マニアの好みは高速車か?路線車か?

 アフターイベントも行われているので、園内をゆっくり楽しんでから移動というのはいかがだろうか。来年に向けてより輸送体制を整え「三重交通の本気」でアップデートしてくれるだろう。そして情報収集で混雑状況を把握し、ストレスなく楽しくF1日本グランプリを満喫していただきたい。

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