前輪の位置がミソ
バスは前輪が運転席よりも後ろにあるのがこの課題のミソだ。つまり脱輪さえしなければ(コースからタイヤが外れなければ)よいので、外側いっぱいに寄せてクラッチ操作だけで運転席がコースから外れて乗り越えるギリギリの位置まで微速前進する。
前輪が外側の三角形の頂点付近まで来たら内側いっぱいにハンドルを切り、前輪が外側の三角形の頂点内側を過ぎ、これから曲がる外側の辺に前輪を沿わせたら停止。バックギアに入れクラッチ操作だけで後退する。
深視力がモノをいう!
後退時にはハンドルを逆に切りながら後輪がコースから出ないように、かつ次に前進したときに前輪が鋭角を通過できる余裕が生まれるまで後退させる。後輪はかなり後方にあるので、ここで二種免許に必要な深視力がモノを言う。
数メートル後方のタイヤの位置を運転席で正確に把握するのに深視力が必要で、なぜそんな視力検査があるのかがよくわかる。
後退が終われば、今度は前輪を外側のふちに沿わせるようにハンドル操作をしながら、外側いっぱいで鋭角を曲がる。そうしないと内輪差で内側後輪が脱輪してしまう。
鋭角コース出口付近まで外側いっぱいで通過できればもう安全なので、コースを出た後にどちらに曲がるのかを考慮して車両を中心付近に寄せる。これで鋭角コースは通過できる。
内輪差で内側が脱輪する危険がある場合は、あと2回切り返しができるのでやり直すなり、少しずつ角度を修正していくなりして通過する。
最後はセンス?
言葉で書くと非常にややこしいが、バスの挙動を想像できればそれほど難しくはない。確かに路線バスでは鋭角テクニックを駆使するルートはあまりないが、貸切バスが数台で連なり、狭い場所のホテルに付ける等のシチュエーションでは鋭角コースどころではない技術が必要になる。
もちろんバックカメラや車掌(バスガイド)の誘導はあるが、それでも運転士の運転センスでこなしているプロの技だ。趣味で免許を持ちの方は教習所のペーパードライバー講習等でぜひ1回切り返しにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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